JR貨物
6月コンテナ6・1%増、備蓄米など押上げ
犬飼社長「ベースカーゴは力強さ欠ける」
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カーゴニュース 2025年7月22日 第5357号
JR貨物(本社・東京都港区、犬飼新社長)の6月の輸送実績は、コンテナが前年同月比6・1%増の158万4000t、車扱が6・9%減の55万3000tとなり、合計では2・4%増の213万8000tとなり、前年を上回った。
コンテナの品目別では、リニア中央新幹線建設工事に伴う発生土の運搬でエコ関連物資が前年比2・4倍と好調だったほか、政府備蓄米の輸送で農産品・青果物が13・4%増と伸長した。自動車部品も一部顧客による増送が寄与し2ケタ増となった。
車扱は、石油が中東情勢の悪化による原油価格の先高感を背景とした在庫の積み上げの動きによって増送になったものの、セメントの大幅な減送が響き前年実績を下回った。
第1四半期(4~6月)の累計実績は、コンテナが前年同期比5・4%増の475万t、車扱が5・6%減の167万3000tとなり、全体では2・3%増の642万3000tと前年を上回るペースで推移している。
6月の品目別輸送実績
随意契約の備蓄米輸送では鉄道の出番増加も
16日に本社で会見した犬飼社長は、足元の荷動きついて「備蓄米とリニア発生土の輸送で持ち上がってはいるが、食料工業品を中心としたベースカーゴが物価上昇などで低迷している。ただ、国の支援により31ftコンテナの増備が進んでおり、そこが本格的に稼働してくれば輸送量は増えてくる。悲観的に見ているわけではないが、現状では力強さに欠けているという認識だ」と述べた。
小泉進次郎農水大臣が政府備蓄米の出荷ペースを加速させると表明している件については、「現状、鉄道で運んでいるのは、入札によって市場に出た備蓄米の輸送で、随意契約による備蓄米については、現状での鉄道利用は少ない。ただ、流通の速度を上げるとの方針であり、今後は鉄道の出番も増えていくのではないか」との見通しを示した。会見に同席した麦谷泰秀執行役員は「随意契約による備蓄米の輸送は現状ではボリュームが少ないが、引き合いが来ているほか、商談中の案件もある。今後、利用運送事業者の集荷対応も含めて調整していく」と述べた。
自動運転トラックの商用化を進めるT2との連携で、自動運転トラックと貨物鉄道を組み合わせたモーダルコンビネーションの実証実験が始まっていることについて、犬飼社長は「将来、自動運転の普及が進めば、鉄道と自動運転トラックが連携することで、ドライバー不足をカバーしていくことに期待しており、そのために、現在トライアルを重ねている。ドライバー不足が進む中で将来的に自動運転の位置づけが高まっていけば、輸送障害時に鉄道が不通になった際にも、お客様にご迷惑をかけない輸送を提供することが可能だ」との考えを示した。
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