JR貨物
7月のコンテナは6・0%増、増送が継続

犬飼社長「鉄道への期待、数字に表れた」


2025.08.27 15:00
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犬飼社長(右)と麦谷営業部長

カーゴニュース 2025年8月26日 第5365号

 JR貨物(本社・東京都港区、犬飼新社長)の7月の輸送実績は、コンテナが前年同月比6・0%増の169万7000t、車扱が1・3%減の67万3000tとなり、合計で3・8%増の237万tとなった。

コンテナの品目別では、食料工業品のうち清涼飲料水が一部顧客における鉄道利用増や新規区間での利用開始などにより増送となったほか、自動車部品も前年を大幅に上回った。また、リニア中央新幹線の建設工事に伴う発生土の運搬でエコ関連物資が引き続き大幅増となったほか、備蓄米の鉄道輸送も継続した。

 車扱は、猛暑に伴う外出控えの影響などからガソリン需要が減ったことから石油類が前年を下回った。

 年度累計(4~7月)は、コンテナが前年同期比5・6%増の644万8000t、車扱が4・4%減の234万6000tで、合計では2・7%増の879万4000tと増加基調が続いている。

7月以降、ベースカーゴの荷動きに力強さ

 20日に会見した犬飼社長は「6月まではエコ関連物資や備蓄米の増送に支えられ、当社のベースカーゴの荷動きに力強さがなかったが、7月以降、清涼飲料水が前年比13%増になるなど荷動きは強くなってきた。また、積合せ貨物についても様々な区間での利用が増えてきており、その部分での持ち上がりもある」と説明。一方、会見に同席した麦谷泰秀執行役員営業部長は「ケミカル類を中心として化学工業品は、中国製品の拡大による国内メーカーの販売低調などで前年を下回る状況が続いている」と述べた。


 8月に入り、九州地区での大雨被害により鹿児島線と肥薩おれんじ鉄道の一部区間で不通が発生しているが、18日までの実績ではコンテナが前年比1・2%増となるなどプラス基調を維持している。

 先日発表した2026年3月期第1四半期決算について犬飼社長は「連結、単体ともに黒字転換した。大きく貢献したのは運輸収入の増加。モーダルシフトの機運の高まりによって鉄道利用が着実に増えており、鉄道への期待の高さが数字として表れたと思っている」と語った。

7月の品目別輸送実績
          

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