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2001年03月08日

【流通】ケイレツを越えた融合

――― トヨタ系部品大手 日産へ供給 ―――

か: 今年もF1グランプリが始まりました!

あ: 復帰2年目のホンダに期待したいね
そして
ブリヂストンにも!

か: タイヤメーカーは2強対決です
第1戦はいい結果を残せたようですよ

あ: 日本の自動車に関する技術を
世界へアピールして欲しいね

か: 自動車業界も
世界的な競争になっていますけど
こっちの競争にも負けて欲しくないですね

あ: レース(競争)とは闘いだからね

 
『トヨタ系部品大手 日産へ供給』

トヨタ自動車系の部品大手が日産自動車との取引拡大に乗り出す。デンソーがディーゼルエンジンの基幹部品を受注したほか、アイシン精機や愛三工業など他のグループ企業も最新のモジュール(複合)部品などで日産自動車への供給量を拡大する。

 

か: でも競争って言っても
同じところから部品を供給してもらっているチーム同士って
何か複雑な関係にありませんか?

あ: あっちのエンジンは絶好調なのに
何でこっちのエンジンは調子でないの?とか
でも、それはセッティングの問題なんだろうね
例えば事故が起きた時って
ドライバーが単に悪いとかじゃなく
何でその事故が起きたのか?
あらゆる角度からその原因を探り
次回のレースまでに修正しようとするでしょ
このチームとしてのスピリットって
いろんな組識にも重要な要素なんだよね

か: 一つの目標に向かって
チームが各々のポジションでその役割を果たすんですね
素晴らしい事です!

あ: 例え同じ供給元からの部品でも
自分達のセッティングに合ったカタチに変更したり
要するに自分達の理想とするカタチに
必要な部品を融合させる為に
みんな努力してるんだよ

か: まさに「融合」させないと
一つの「マシン」として機能しませんよね
今日紹介したように
トヨタ系の大手部品会社が日産にも供給を始めるようですけど
同じ事が言えそうですね

あ: 今までの「ケイレツ」とか「旧財閥グループ」の
垣根を越えた取組みも見られるけど
新たな企業間の「融合」の仕方が始まっている

か: 新たな「融合」ですか?

あ: よく「提携」って耳にするけど
そもそも提携って何?

か: そりゃ、企業と企業が協力し合って...
あれ? 
何するの?

あ: 「手に手を取って助け合う」とか
元々はそういう意味らしいけど
共同で同じ事業を行なうといっても
いろいろなケースがあると思う
そんな中で互いの商品・サービスが「融合」し合える環境って
どうやってつくり出せばいいのか?
つまり「融合する」って決めてから
本当に「融合し合える」ようにするのが重要って事!

か: なるほどねぇ
大事なのは「融合し合う」って決めた時じゃなく   
どうやって「融合させるのか」実現させる事ですね

あ: ライバル同士の企業でも
バックボーンとなる見えない部分での協力はあるけれど
一番重要なのは流通をデザインする事なんだよ

か: えっ?「流通をデザイン」ですか?

あ: 自動車業界で言えば
モジュール化が進んだり
今回のような大手部品メーカーが
従来のケイレツを越えた供給を始めている
そんな中で、完成品メーカーとして差別化を考えた場合
部品としてのハードだけじゃなく
ソフト部分の差別化、すなわち流通をどうデザインできているのか?
これが大きな差別化となるんじゃないかな?
同じハードを扱っても
デザインされた流通によって
例えば販売エリアの文化的特性に融合できたり
他の部品との融合がスムーズだったり・ ・ ・

か: 小売業でも同じ事が言えるんですね
同じNBを扱うにしても
地域に合った販売方法、広告手法がありますからね

 
あ: 他社と協力する部分っていうのは
「ケイレツ」や「旧財閥グループ」の枠が
崩れ始めている中
縦軸でなく横軸で優位性を発揮する企業が  →
これから注目を集めそうだけど
調達方法、販売ルート確保、ブランディングなど
ターゲットとしている人達にとって
自社の商品、サービスが
本当に「融合」できる
そんな流通をデザインできる事が重要なんだよ


 

か: それが地域であったり、世代であったり
所得や季節など...

あ: 優れたハードをターゲットとしている人達に
「融合」させる事ができるか?
流通デザインにかかっているんだよ

か: 「融合」は「流通デザイン」次第なんですね

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 11:54| 流通