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2021年12月01日

【環 境】奥村組 閉鎖循環式陸上養殖の実証実験を開始


奥村組は閉鎖循環式陸上養殖事業への参画を目指し、同社技術研究所(茨城県つくば市)内で、陸上養殖技術に関する実証実験を開始した。

世界的な人口増加とともに一人当たりの魚介類消費量が増加している一方、気候変動や乱獲、プラスチックごみによる海洋汚染などによって、水産資源の枯渇が懸念される状況となっている。また国内水産業においては、漁村の過疎化など担い手不足が深刻化しており、漁獲量は減少の一途をたどっている。このような状況から、養殖の重要性が高まっているが、海面養殖では食べ残しの餌などによる海洋環境の悪化が問題となっており、環境負荷の少ない養殖技術の確立が求められている。

奥村組は環境負荷が少ない上に、場所が限定されない特長を持つ閉鎖循環式陸上養殖に着目し、茨城県つくば市の技術研究所内に陸上養殖実験棟を建設、陸上養殖技術に関する実証実験を開始した。閉鎖循環式陸上養殖は微生物の力を使ったろ過システムを用いて飼育水を繰り返し使用するため、海面養殖と比べ環境負荷が少ない。また水質・給餌などの要素を管理しながら生育するため、食のトレーサビリティの観点からも安全性が高いと言われている。

実験棟には20t飼育水槽を2基、4t飼育水槽を4基設置されている。20t水槽では異なるろ過システムを比較検証できるようになっており、実験初弾としてトラフグの比較生育実験を行っている。4t水槽は様々な魚種の養殖実験など、多目的に活用できるようになっている。各水槽には水質・酸素濃度センサーや監視カメラで水槽の様子を常時監視・記録できるシステムを導入するとともに、停電時や水質異常が発生した際に即座に対応できるようアラート機能も装備している。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:25| 企業の取り組み【機関】