<< 前のエントリ合通ロジのトップページへ次のエントリ >>
2021年04月27日

【環 境】豊田中央研究所 実用太陽電池サイズのセルで人口光合成実現


トヨタグループの豊田中央研究所は、太陽光のエネルギーを利用し、CO2と水のみから有用な物質を合成する人口光合成を、実用太陽電池サイズのセルで実現し、このクラスでは世界最高の太陽光変換効率7.2%を実現した。

豊田中央研究所の人口光合成は、半導体と分子触媒を用いた方式でCO2の還元反応と水の酸化反応を行う電極を組み合わせ、常温常圧で有機物(ギ酸)を合成する。2011年に実施された同所による世界初の原理実証時には太陽光変換効率は0.04%だったが、2015年には1p各サイズで、植物を大きく上回る変換効率4.6%(当時の世界最高)を実現した。

社会実装のためには人口光合成セルの変換効率を低下させず、実用サイズに拡張することが必要だが、技術的に困難とされていた。そこで基本原理はそのままに、太陽光にて生成した多量の電子を余すことなくギ酸合成に使用する、新しいセル構造と電極を考案した。その特徴は太陽電池で生成した電子量とのバランスが良いサイズに電極面積を拡張するとともに、ギ酸合成に必要な電子、水素イオン、CO2を電極全面に素早く途切れることなく供給し、ギ酸合成を促進する。その結果、36p角の実用サイズでこのクラスでは世界最高の変換効率7.2%実現した。この新セル構造は、より大きなサイズにも適用できる。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:50| 脱炭素・カーボンオフセット【内容】