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2021年01月15日

【流 通】シャープとスギヤマゲン 医薬品向け「定温輸送容器セット」を開発


シャープとスギヤマゲンはシャープが液晶材料の研究で培った技術をベースに新たに開発した「3℃適温蓄冷材(※1)」とスギヤマゲンの温度設計技術を組み合わせ、医薬品向け「定温輸送容器セット」を共同開発。2021年1月5日にスギヤマゲンが発売を開始した。業界で初めて(※2)待機時間をなくし、年間を通した同一運用の実現により医薬品の定温輸送を効率化する。

医薬品の輸送には一定温度内での厳格な温度管理が求められる。検体・ワクチン・細胞などを輸送する際は2〜8℃、血液の輸送には2〜6℃の範囲内での定温管理が必要とされる。一方、季節ごとの外気温の変動に起因する輸送物の温度変化を防止するため、保冷温度の設定や蓄冷剤の構成(組み合わせ)を変更するなど、医療・物流業界においては、これまでさまざまな工夫を行ってきた。

両社が共同開発した「定温輸送容器セット」は、新開発の「3℃適温蓄冷材」の使用により、2〜8℃と2〜6℃の両方の定温管理に適用できることに加え、これまで行ってきた季節ごとの保冷温度の設定や蓄冷剤の構成変更が不要となった。また一般的な定温輸送容器では、凍結した蓄冷剤が適切な温度に上昇するまで1〜2時間の待機時間が必要だったが、「定温輸送容器セット」は凍結庫から取り出した直後に「3℃適温蓄冷材」を容器内へセットできるため、大幅な業務効率化が可能となった。待機時間がなく、年間を通して同一運用ができる「定温輸送容器セット」は業界初です。

シャープは、健康・医療・介護分野向けソリューションの創出に取り組む中、今回、スギヤマゲンとの協業により、医薬品の定温物流分野へ新規参入した。スギヤマゲンはシャープが開発した「3℃適温蓄冷材」により、定温輸送容器のラインアップを拡充した。今後も、両社は高度な温度管理を容易に実現する医薬品の定温輸送ソリューションの展開を進める。

※1 シャープの社内ベンチャー「TEKION LAB(テキオンラボ)」が液晶材料の研究で培った技術を応用した「適温蓄冷材」は、−24℃〜+28℃(開発中の温度帯のものを含みます)で融け始める氷の状態で蓄冷できる。「3℃適温蓄冷材」は3℃で融け、固体から液体に変化する。この時、周囲の熱を吸収することにより材料自体のみならず、周囲の空気や接触している対象物を特定の温度に保持する機能を有している。

※2 蓄冷剤を使用する医薬品の「定温輸送容器セット」において。2020年12月24日現在。スギヤマゲン調べ。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:40| 流通