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2020年12月23日

【流 通】JALとウェザーニューズ 航空機の揺れによる影響を未然に防ぐ仕組み構築


日本航空(JAL)とウェザーニューズは航空機の揺れで乗客や客室乗務員への影響を未然に防ぐための仕組みを共同で構築した。

この仕組みは、揺れの原因となる気流の乱れを表す指標(「EDR」 ※)を自動計算する技術を応用してJALが日本で初めて開発をした、リアルタイムに揺れの情報を地上に自動報告する仕組みと、地上に報告された揺れ情報を、機械学習(AI)を用いてより迅速に処理して即時に運航中の航空機に自動通知するJALとウェザーニューズが共同開発したシステム、の2つを組み合わせることで実現した。

現在、乱気流に遭遇した航空機のパイロットは、揺れが収まり十分に安全が確保された後に、手動によるデータ通信や無線によって揺れ情報を地上に報告している。そのため乱気流に遭遇してから地上に揺れ情報が報告されるまでに時間差が発生している。

そこで世界各国で飛行中の揺れを把握する新たな基準として、「EDR(イーディーアール)」(※)という技術の導入が検討されている。「EDR」は気流の乱れを表す指標で、航空機のコンピュータに搭載した「EDR計算アルゴリズム」により、自動的に計算され、リアルタイムに地上に報告することができる。

今回、JALは日本のエアラインとして初めて、「EDR計算アルゴリズム」を航空機のコンピュータに搭載した。「EDR計算アルゴニズム」には計算された「EDR」を現在運用されている運航乗務員の体感をもとに判定する揺れ情報に換算する独自の計算アルゴリズムも組み込まれている。

これにより航空機から地上に報告された「EDRによる揺れ情報」は、パイロットが出発準備の際に使用するウェザーニューズの運航管理支援システム「FOSTER−NEXTGEN」にリアルタイムに反映され、パイロットが手動で報告する揺れ情報と同等に活用できるようになる。出発前のパイロットは従来の揺れ情報に加えて、「EDR」による揺れ情報も用いることで、より安全な運航を提供するための検討が可能になる。

※ EDR(Eddy Dissipation Rate)
渦消散率(渦が消えていく速さ)

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:40| 流通