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2020年12月23日

【知 識】ACCESSと金沢大学 認知機能低下を簡易検知するサービス開発で協業


ACCESSと金沢大学医薬保健研究域保健学系の米田貢准教授、菊池ゆひ助教と融合研究域融合科学系の米田隆教授の共同研究グループ(以下 米田研究グループ)は、小脳のフィードフォワード制御の学習回路に着眼し、早期認知症リスクを簡易に検知するスマートフォン向けサービスの開発に向けて共同研究を実施している。

先進諸国では高齢化の進行と共に、認知症患者の増加が社会問題となっている。世界に先駆けて超高齢社会を迎えた日本では、2025年までに高齢者(65歳以上)の約20%(約700万人)が認知症になるといわれている(※1)。その一方で少子化による人手不足を補うため、政府を挙げて70歳までの雇用継続を促すための法改正に取り組むなど労働者の高齢化は一段と進むことが予想されている。こうした中、企業では認知症による高齢者の事故など労災リスクを低減するためにも、高齢者が安心して働ける労働環境の整備が急務となっている。ACCESSと米田研究グループは、こうした社会が抱える課題を解決するため、ACCESSのIoT/データサイエンス技術と米田研究グループの認知症/リハビリテーション科学における知見を持ち寄り、認知機能低下を簡易に検知できるサービスを開発していく。

認知症の予防には早期発見が重要と言われており、MCI(軽度認知障害)の段階で予防・適切な治療をすることで回復もしくは発症を遅延させることが出来る場合があると言われている。しかしMCIの段階では症状が軽いために、本人や周囲も気づきにくく、残念ながら見逃される傾向にある。ACCESSと米田研究グループは、このような発見の遅れによる進行を防ぐため、認知機能の低下を捉える、簡易的かつ継続的に利用可能なツールが必要であると考え、共同研究を実施し、小脳のフィードフォワード制御(※2)に着目し、協力者から得た課題データを基に認知機能評価のアルゴリズムを構築していく。ACCESSは、このアルゴリズムを基にスマートフォン向け「認知機能チェックアップアプリ(仮称)」(サービス)を開発していく。

※1 出典:厚生労働省「今後の高齢者人口の見通しについて」より

※2 小脳のフィードフォワード制御
小脳は運動の速さ、タイミング、必要な筋力などを計算し、運動を調節する機能を担っている。外からの刺激に対しすばやく、正確な反応が必要な動きでは、あらかじめタイミングや筋力を予測し、刺激に対する影響を小さくするように働くこと。このフィードフォワードの機構は運動の制御だけでなく、高次の認知機能にも重要な役割を担っている

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投稿者:gotsuat 09:35| 知識