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2020年03月25日

【流 通】京大・広大など 電気自動車の完全普及によるCO2排出量削減の効果を解明


京都大学工学研究科 藤森真一郎准教授、広島大学 張潤森助教らの研究グループは、将来の電気自動車の導入とそれによるCO2排出量削減の効果を明らかにした。

現在の電気自動車の急速な普及によって、将来の自動車由来のCO2排出量は大きく変わることが予想される。2015年のパリ協定では国際社会は全球平均気温の上昇を2℃以下に抑え、温室効果ガスの排出を今世紀後半に実質ゼロまで下げるという気候安定化目標を掲げた。しかし、それに電気自動車がどのように貢献できるのかという問題はこれまで明らかとなっていなかった。

今回の研究では電気自動車の導入状況と交通部門以外の排出削減努力の進展度合いによって6通りのシナリオを設定し、コンピューターシミュレーションを行った。その結果、電気自動車の導入により、エネルギー消費量は減少するが、発電システムが火力発電に依存する現状のままでは将来のCO2排出量はほとんど変わらず、全体としては正味で増加してしまうことがわかった。さらに、仮に発電システムに再生可能エネルギーを大規模に導入したと仮定しても、2割程度のCO2削減にとどまった。この結果はパリ協定の2℃目標を達成するためには、交通という単一セクターの限定的な取り組みだけでは難しく、家庭・産業・交通といったエネルギー需要全体と共に、発電を含むエネルギー供給の脱化石燃料化といった社会全体での取り組みが必要であることを示唆している。

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投稿者:gotsuat 09:40| 流通