<< 前のエントリ合通ロジのトップページへ次のエントリ >>
2020年01月06日

【流 通】住友商事など 森林所有者のための森林管理ツール開発に向けた実証実験開始


住友商事、岡山県西粟倉村とDATAFLUCT(データフラクト)は森林所有者のための森林管理ツールの開発に向けた実証実験を開始する。

日本は国土の7割を森林が占めているが適切に管理できていない森林も多く、不十分な間伐などにより山が荒廃し、土砂崩れなどの災害を引き起こす恐れが高まっている。2019年4月には手入れが行き届いていない私有林を各自治体がまとめて管理できるようにする森林経営管理法が施行された。さらに温室効果ガス排出削減や災害防止整備等の財源確保を目的とした森林環境税が導入されるなど、国をあげた取り組みが始まっている。

今回実施される実証実験では、これまで適切な情報が不足していた森林所有者に向けて森林管理アプリを開発し所有面積、木材の体積、年間CO2吸収量といった所有林の正確なデジタル情報を提供する。さらに所有者が専門家に森林資産の運用、相続を相談できる仕組みを整備し、アプリの活用状況や課題を検証する。林野行政に積極的に取り組むSDGs未来都市の西粟倉村を実証地とし、JAXAベンチャー認定企業であるDATAFLUCTが森林管理アプリを開発する。予定ではアプリのプロトタイプ開発は2020年2月末を目途に完了し、2020年3月以降より西粟倉村の森林所有者に提供する。

住友商事は実証実験を通じて、森林所有者が自分の森林資産を活用できる環境を整備し、森林のデジタルデータを活用した新しいビジネスの開発を進めるとともに、地球環境と共生するサステナブルな社会の実現に向けた取り組みを強化していく。なお、今回の取り組みは住友商事の社内起業制度「0→1チャレンジ2018(ゼロワンチャレンジ2018)」にて新規ビジネスの優れたアイデアとして選出されたもので、林野庁が主催した次世代型サスティナビリティ事業共創プログラム「Sustainable Forest Action」においても優秀賞を受賞した。

西粟倉村は「上質な田舎」、「百年の森林構想」、「心産業」の3つをキーワードに、森林という地域の自然資本の価値向上を目指し、航空レーザー測量等の最新技術を活用しながら、地域に眠る未活用の資源を価値に変える取り組みを積極的に行っている。また森林所有者・林業事業体・ローカルベンチャー等の様々な事業体が共創し、小さくても「身の丈に合った」雇用や経済を生むことで、地域の持続につなげようと取り組んでおり、2019年7月にはSDGs未来都市に選定された。

DATAFLUCTはデータとサイエンスの力で社会課題を解決することをミッションに、あらゆる業界・業種の枠を超えパートナーとの共創により複数のSaaSビジネスを素早く確立し、埋もれているデータから社会・経済・技術に大きなインパクトを与える新たなビジネス価値を創出する。2019年JAXAベンチャー(宇宙航空研究開発機構(JAXA)の知的財産やJAXAの業務で得た知見を利用して事業をおこなう、JAXAの職員が出資し設立したベンチャー企業)にも認定された。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:40| 流通