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2019年12月23日

【流 通】NTTドコモと京都大学 動画撮影による「橋梁劣化推定AI」を開発


NTTドコモと京都大学は、橋梁を走行する車両と車両通過時に発生する橋のたわみや揺れを同時に動画で撮影し、AIで橋の劣化を推定できる「橋梁劣化推定AI」を世界で初めて開発した。2019年12月9日から2020年9月30日まで富山市の八尾大橋で実証実験を実施している。

国内では10〜30m程度の長さの橋梁が多くを占め目視や打音による点検が一般的だが、技術者の技量により判断が異なることが多く、さらに経験者不足や足場の設置を必要とするなど点検コストが高いという課題がある。近年ではドローンなどを活用し表面のひびわれや腐食などを画像解析から検出する橋梁点検が進められているが、表面にひびなどが現れる時点ですでに重大な損傷になっていることが多く、老朽化が進んでいるインフラを効率よく点検する技術や早期補修のために劣化推定ができる技術の開発が求められている。

今回開発された技術は、橋梁と橋梁上を走行する車両を動画撮影し、車両の重量を推定したうえで、橋梁の複数点のたわみ(変位)から橋梁が劣化しているかをAIで推定する。橋のたわみは劣化だけでなく、車両の重量によって影響をうけるため、車両の重量を推定したうえで橋のたわみを解析することが、劣化を正しく推定することにつながる。また、車両通行量や設置環境などそれぞれの橋梁の状況が異なるため、定期点検やモニタリングで橋梁ごとのデータを蓄積することで、AIでの劣化推定精度がより向上していくことが期待される。

今後は橋梁点検や劣化診断作業への有効性や検出精度の検証を進め、2022年ごろまでの技術の実用化、そして将来的には技術活用した橋梁の維持管理の実現をめざす。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:40| 流通