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2019年12月23日

【知 識】鹿屋体育大学とソフトバンク ICT活用で離島の部活動支援を試験運用


鹿屋体育大学とソフトバンクは、日本初(※1)となる離島でのICTを活用した部活動支援の試験運用を、2019年12月17日から徳之島(鹿児島県奄美群島)で開始した。

鹿屋体育大学は全国で唯一の国立の体育系単科大学として体育・スポーツ学分野における専門的知識や指導力を有し、国際社会で活躍できる人材や指導者を養成することを目標にしている。またスポーツ現場の実践知を科学的エビデンスとして創出・蓄積し、活動の場へ還元する「スポーツパフォーマンス研究」を推進している。

今回の事業に携わる硬式野球部は現在部員50名で活動しており、将来は野球の指導者になることを目指している学生が多く所属している。ソフトバンクは社会貢献活動の重点領域の一つとして、ICTを活用した次世代育成支援に取り組んでおり、人型ロボット「Pepper」を使った小・中学校向けプログラミング教育の提供や、オンラインレッスンサービス「スマートコーチ」を活用した体育の授業や部活動の支援を行っている。

多くの離島地域では地理的な制約によって子どもたちが受けられる教育の質や運動環境の選択肢が限られているが、徳之島で唯一の公立高校である鹿児島県立徳之島高等学校においても、指導者の数やスポーツ教育の教材資源が不足していることから、部活動に参加する生徒たちは、各競技の専門的な指導を受ける機会が少ない。

鹿屋体育大学は多くの離島を有する鹿児島県に設立された国立大学として、高大連携によりこのような課題を解決するために、ソフトバンクが貸与するタブレットと全国の部活動支援(※2)で使われている「スマートコーチ」を活用し、野球部員がコーチとして、徳之島高等学校の野球部に遠隔指導を行うことを試験的に実施する。このシステムを活用することで、生徒から送られてくる動画をテキストや音声で添削することが可能となり、高等学校の顧問教職員にかかる負担を軽減させるとともに、生徒たちは専門的な指導を受けることが可能になる。同時にスポーツの専門家や指導者の道を志す鹿屋体育大学の学生にとっては、遠隔でのコーチング技術を学ぶ機会にもなるとしている。

鹿屋体育大学とソフトバンクは今回の試験運用を通して地理的に制約を受けやすい離島でも「スマートコーチ」を活用して、専門家からの質の高い運動指導を提供できるかどうかを検証し、今後は徳之島の中学校や鹿児島県内の他の離島での活用についても検討していく。

※1 2019年12月5日現在(ソフトバンク調べ)
※2 ICT部活動支援実績 全国48の自治体、98の学校、135の部活で実施(2019年11月末時点)

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:35| 知識