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2019年10月17日

【流 通】OKI 空飛ぶ水中測深装置による河床状況調査の実証実験を開始


OKIはJR東日本が設立したJR東日本モビリティ変革コンソーシアム(※1)においてFPV Roboticsと共同で、空飛ぶ水中測深装置「ドローン搭載型MNB(multi narrow beam ※2)測深機」による、河床状況調査の作業効率化と安全性向上に関する実証実験を開始した。

コンソーシアムでは、河床状況調査を対象とした測深技術について検証している。河川橋梁の維持管理のために行う橋脚付近の河床状況調査は、主に橋梁の上から錘の付いたロープを水底まで下ろして河床の状況を測定されてきたが、測定箇所が限定される、流速が早い場合は測定精度が低下するなどの課題があった。OKI、JR東日本、FPV Roboticsの3社は、コンソーシアムのロボット活用WGマルチビーム測深SWG(以下SWG)で、こうした課題の解決に向け、MNB測深機とドローンを一体化した「ドローン搭載型MNB測深機」による河床状況調査の実証実験を推進している。

実証実験にあたり3社は、OKIグループの関係会社OKIシーテックの可搬ボート型マルチビーム測深機「CARPHIN V(カーフィン ブイ)」の測深装置部と測定場所への移動手段となるドローンの活用を検討した。「CARPHIN V」は、小型・軽量な無人船体に測深装置部を一体化した装置で、有人測量船では測定が不可能な港湾や湖沼、小規模河川などにおいてMNB方式の深浅測量を行った実績を有している。

3社で検討した結果、「CARPHIN V」の測深装置部をさらに小型化し、水空両用ドローンと一体化することで、調査対象場所へのアプローチから着水、測定対象範囲の水上航行と測深、離水、着陸までの一連のプロセスを、遠隔操作または自動制御で行うことを可能とした。これにより橋脚付近の河床状況調査における作業の効率化を実現するとともに、安全性の向上にも寄与する。

SWGでは今後、試作機の運用試験による課題整理や技術検証を行ったうえで、実フィールドでの実証実験、実運用に向けたルールなどの検討を共同で進めていく。


※1 JR東日本モビリティ変革コンソーシアム
解決が難しい社会課題や次代の公共交通について、交通事業者と各種の国内外企業、大学・研究機関などがつながりを創出し、オープンイノベーションによりモビリティ変革を実現する場として、2017 年9月5日にJR 東日本が設立。2019年9月20日現在、157団体が参加

※2 MNB(multi narrow beam)
船の左右両舷方向に扇状の音波を放射し、前後方向に指向性の鋭い多数の受波ビームにより反射音を受信することで、広い範囲の水深を測定する深浅測量方式

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:40| 流通