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2019年10月04日

【流 通】三井化学グループのバイオポリプロピレンが環境省の委託事業に採択される


三井化学は開成と共に事業化を目指しているバイオポリプロピレン(以下 バイオPP)が
環境省がGHG削減施策の一環として実施する「令和元年度脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業」(※1)において、バイオPP実証事業が採択された。

今後三井化学は世界初となるバイオPPの工業化実証試験を行い、技術面・品質面・経済性・GHG排出量削減効果等の評価を多面的に行う予定にしている。これらの課題をクリアしながら、三井化学グループとしてバイオPPの事業化を検討し、最短で2024年生産開始を目指す。

三井化学グループは気候変動対応方針とプラスチック戦略に基づき、環境貢献価値(Blue Value(R))製品拡充の一貫としてバイオPP事業に取り組んでいる。

ポリプロピレンは自動車部材をはじめ、医療、家電、住宅、食品分野まで、幅広い用途に使用されており、人々の生活に欠かせない素材の1つで、日本で生産されるプラスチックの2割強を占めている。しかしながらバイオマス原料化の難易度が高く、今のところ工業化レベルの技術確立には至っていない。

従来のプラスチックの原料は数億年の長い年月をかけて地中に蓄えられた化石資源だが、バイオマスプラスチック(※2)の主原料は植物で、植物は大気中のCO2を吸収して生育する。そのため、CO2削減に効果的で地球温暖化を緩和する。植物を原料とするバイオポリプロピレンは、持続可能な社会への貢献が期待されている。

今回事業化を目指す新製法は非可食植物を主体とするバイオマス原料から発酵によりイソプロパノール(IPA)を製造し、それを脱水することでプロピレンを得る、世界初のIPA法で、これまでに検討されている他のバイオマス製法に比べて、より安価なバイオPPの製造が可能となる。


※1 「令和元年度脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業」
化石資源由来の素材からバイオマス・生分解性プラスチック等の再生可能資源への転換を図っていくとともに、使用済みの廃プラスチック等の省CO2リサイクルシステムを構築することが不可欠であることから、脱炭素社会を支えるプラスチック等の資源循環システム構築の加速化を推進する環境省の取り組み。同事業では化石資源由来プラスチックの代替素材である再生可能資源への転換及び社会実装化又はプラスチック等のリサイクルプロセス構築のための実証を行う。環境省環境再生・資源循環局総務課リサイクル推進室所管。(出典:環境省)

※2 バイオマスプラスチック
原料として再生可能な有機資源由来の物質を含み、化学的又は生物学的に合成することにより得られる高分子材(プラスチック)。(出典:日本バイオプラスチック協会)

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:40| 流通