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2019年06月26日

【知 識】富士通とKongsberg Digital AIを活用した燃料最適化サービスを提供


富士通とノルウェーのKongsberg Digital(コングスバーグ・デジタル)は、温室効果ガス排出低減に向けて、AIを活用した船舶燃料最適化(Vessel Fuel Optimization 以下:VFO)サービスを提供する。VFOサービスは船主や運航事業者による大規模な出費を伴う船上機器の設置を必要とすることなく、海運事業者が大型船の燃料コストを削減し、新たな低硫黄燃料規制を遵守して温室効果ガス排出を削減する。

船主や運航事業者は、規制当局による新たな低硫黄燃料規制を遵守するために、海運事業者にとって最大の運営コストである燃料コストの顕著な上昇に直面している。海上輸送による温室効果ガスの排出量は膨大であり、さらに増加を続けている。現行の世界の燃料備蓄を、2020年1月から硫黄含有量0.5%以下とする国際海事機関が要求する新条件を満たす燃料に置き換えた場合、市場予測によるとセクター全体で350億ドルのコスト増となるといわれている。

富士通とKongsberg Digitalはサービス提供に向けて協業を開始しており、VFOサービスはこの提携に基づいて提供される最初のサービスとなる。Kongsberg Digitalは、海運、石油・ガス、再生可能エネルギー・電力セクター向けITサービスのプロバイダーであり、このサービスは、Kongsberg Digitalが保有するプラットフォームであるKognifaiのポートフォリオの一部として提供される。これにより、海運業界に対して費用対効果の高いさまざまなサービスの提供が期待される。

VFOサービスはAIが船長による操船および船舶性能を学習し、これに風、波、海流といった気象および海象予報と組み合わせてエネルギー効率や、安全および収益性を最大化する最適航路を提案する。船長や陸上管理者が、計画時および航海中に更新された最適航路に従うことで燃料節約に貢献する。

VFOサービスは富士通研究所が最先端のAIおよびデータ分析技術に基づき開発した、自動船舶識別装置(Automatic Identification System)のオープンデータを活用した航路最適化ウェブアプリのプロトタイプです。センサーや船上機器を設置する必要がないため、幅広い船舶に対して利用可能なウェブアプリを提供します。また、船舶のエンジンログおよびセンサーデータといった、航海データ記録装置からのデータを活用したサービスも提供する予定にしている。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:35| 知識