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2019年02月22日

【流 通】三菱電機 丸ノ内線2000系向け「車両情報監視・分析システム」を納入


三菱電機は、東京メトロ丸ノ内線2000系車両向けに「車両情報監視・分析システム(以下、TIMA(※1))」を納入した。2019年2月23日から運用が開始される。IoTとビッグデータの可視化・分析技術を駆使して、運行中の車両のさまざまな情報を収集・活用することで、サービス向上や運行支障時の対応の迅速化、定期検査・部品交換周期の最適化を推進する。

今回納品されたTIMAでは、三菱電機が開発した最新の車両制御情報管理装置(以下、TIS(※2)装置)が運行車両の走行位置・車内温度・乗車状況(混雑度)等の様々な情報を収集し、高速大容量無線通信装置により、収集した情報を随時データセンターに伝送する。収集された情報を蓄積することにより、過去の車両状態も含めた「見える化」を実現する。

また、TIS装置が機器の状態を常時監視し、異常発生時には車両の現在位置や故障状況をデータセンター経由で速やかに指令所や車両基地へ配信する。運転台の表示画面と同じ画面を指令所や車両基地の端末に表示し、乗務員と指令員・検修作業員間の情報共有を迅速化・正確化。スムーズで適切な処置を実現し、運行支障時間の短縮に貢献する。

また、TIS装置が走行中における車両搭載機器の電流値や電圧値など、詳細な動作データを収集し、今後、収集した車両のビッグデータを分析し、検査項目および部品交換周期の最適化を推進する。

TIMAにより収集・蓄積されたビッグデータの一部は、オープンデータとして提供することが検討されており、スマートフォンのアプリなどで活用することで、お客様サービスの向上が可能になる。今後、三菱電機はIoT技術を活用した鉄道車両の状態監視・データ分析を行うサービスを鉄道事業者に提供し、経過時間を基準とした保守業務(TBM(※3))の効率化と機器の状態を基準とした保守業務(CBM(※4))を実現することで、鉄道車両保守業務の最適化により、本来不要な部品交換を削減することで省資源化に貢献する。

公共交通機関では、情報提供の高度化による旅客サービスの向上や、さらなる安全・安定輸送のニーズが増大している。また、労働人口の高齢化により熟練した検修作業員の減少が予想されており、保守・検査業務の高度化・効率化の要望も高まっている。地下鉄は地下区間の走行が大半のため、車両の情報を地上側に伝送するのが難しかったが、無線伝送網の普及により大量の車両情報を随時地上側へ伝送することが可能となり、旅客サービスや保守業務にこれらの情報を活用することが可能になった。

※1 TIMA:Train Information Monitoring and Analysis system
※2 TIS:Train-control Information Management System
※3 TBM:Time Based Maintenance
※4 CBM:Condition Based Maintenance

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:40| 流通