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2017年09月25日

【知 識】日本郵船グループとNTTグループ 船舶IoTの次世代プラットフォームに関する共同実験開始


日本郵船(以下NYK)、NYKグループのMTI、NTTおよびNTTデータは、NYKグループが進めている船舶IoTの次世代プラットフォーム開発に関して、NTTのもつ陸上ベースの技術および研究開発成果を組み合わせた共同実験を開始した。今後、NYK・MTIがもつ現場力や課題解決力とNTTがもつIoT関連の先端技術やNTTデータのICTソリューションを掛け合わせることで、情報通信技術(ICT)を活用した船舶IoT分野におけるイノベーション創出に向けての取り組みを進める。

NYKは、2014年からの中期経営計画“More Than Shipping 2018 〜Stage 2 きらり技術力〜”において技術力による差別化をテーマの一つに掲げ、技術力や現場力、創造性を発揮して新しいビジネスの創出や課題解決を具体化する取り組みを推進してきた。その中で、海運会社にとって欠かすことのできない「安全」と「環境」への取り組みを一段とレベルアップさせるために、IoTやビッグデータなど、最新のICT活用によるイノベーションに注力し、データ活用による最適運航や船舶機器の故障予知・予防の研究、さらに将来の自律航行船に向けた技術開発も進めている。また、安定的かつ効率的なIoTデータの船陸間共有を目指し、船陸間通信に関する独自の高い技術力をもつDualog社(※1)と戦略的協力関係を結び、船舶IoTの次世代プラットフォームの開発検討を進めている。

一方、NTTは、顧客に選ばれ続ける「バリューパートナー」として、ICTを通じたパートナーとのコラボレーションにより、「Co-Innovation(共創・技術革新)」の取り組みを推進しており、今回の共同実験においては、NTTの研究成果であるIoT関連の先端技術とNTTデータがもつAIおよびIoT関連の実績やノウハウを活用し、NYK・MTIとDualog社が検討している次世代船舶IoTプラットフォームの実現をサポートする。今後は、各社が連携し、船舶の安全性・経済性の追求および国際的な競争力の強化のため、海事産業のイノベーション創出を目指す。

NYKとMTIが研究開発を進めてきたパフォーマンスマネージメントシステム「SIMS」(※2)においては、NTT研究所のエッジコンピューティング技術(※3)とNTTデータのデータ活用ノウハウを適用することで、船上で収集した各種データを様々なアプリケーションで迅速に活用し、かつDualog社の船陸間データ共有技術を活用することで、安定的・効率的な船陸間のデータ・情報・アプリケーションの共有が可能となり、より高度な船舶の運航と保守管理などの「安全」と「環境」への取り組みを加速させる。

※1 Dualog社
1994年にノルウェーで設立。海事分野のデジタルプラットフォームのサービスプロバイダーとして、船舶向けに信頼性とセキュリティレベルの高い、インターネット、Email、クラウドサービスを提供。船舶管理に必要な船上のITサービスをこれまでに3,000隻以上の船舶に提供

※2 SIMS
「SIMS(Ship Information Management System)」。運航状態や燃費、機器の状態など、毎時間の詳細な本船データを船陸間でタイムリーに共有するための装置

※3 エッジコンピューティング
データセンターとデバイスの間にサーバー(エッジサーバー)を設置し、データの処理計算を分散させることで、より高速なビッグデータ処理とリアルタイムなサービスを可能にする技術

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 10:06| 知識