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2016年09月23日

【知 識】大阪大学・テルモ・DNP 再生医療による心臓病治療の普及を目指して共同研究講座を開設


大阪大学、テルモと大日本印刷(以下「DNP」)は、再生医療に関する共同研究講座を開設した。

同講座では、再生医療による心臓病治療の普及を目指して、再生医療製品の低コストで効率的な製造・品質管理法の研究を行う。

一般的に、再生医療製品の製造では、手作業が多く製造コストが高い、操作が煩雑で非効率、細胞品質の均一性の担保が難しいなどの課題がある。大阪大学、テルモ、DNPは、それぞれの再生医療に関する知見や保有技術を組み合わせて、2019年までに細胞培養操作をロボット技術などで補助する装置の開発、細胞を破壊しない効率的な品質検査法の確立を目指す。

大阪大学は、これまでに心不全や重症角膜疾患等に対する世界初の再生治療法を発信してきた。さらに、iPS細胞を用いた治療、基盤技術開発など多くの領域で再生医療の実現と普及を目指した革新的な取り組みを進めている。

テルモは、世界初の心不全治療用の再生医療等製品「ハートシート」を製造販売している。ハートシートは、薬物治療や外科手術などの標準治療で効果不十分な虚血性心疾患による重症心不全の治療の新たな選択肢として期待されている。再生医療のリーディングカンパニーとして、再生医療製品の実用化、細胞製品の製造・品質管理技術の向上に継続して取り組んでいる。

DNPは、カラーマネジメントや三次元画像処理などの情報技術を活用し、細胞画像解析による非破壊での細胞検査方法の開発を進めている。また、細胞シート作製に必要な温度応答性細胞培養器材を製造しており、その品質や性能安定性の向上に取り組んでいる。

大阪大学の共同研究講座は、企業などの外部組織から資金、研究者などを受け入れて大学内に設置する研究組織で、大阪大学教員と企業研究者とが対等な立場で共通の課題について研究を行うことによって、優れた研究成果が生まれることを促進する。今回開設した共同研究講座は、医学系研究科が推進する産学連携・クロスイノベーションイニシアティブによるオープン(クロス)イノベーションの推進の一環として、複数の企業が大学と連携して研究を行う。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:35| 知識