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2015年05月27日

【環 境】川崎重工業 世界初の舶用ディーゼル主機関に搭載される複合低環境負荷システム「K−ECOS」を完成


川崎重工業は、舶用ディーゼル主機関から排出される窒素酸化物(NOx)や二酸化炭素(CO2)などの大気汚染物質を複数の環境対応技術の組み合わせによって削減するシステム「K−ECOS(Kawasaki?ECO System)」を世界に先駆けて自社開発し、神戸工場で完成させた。さらに、「K−ECOS」を2サイクルディーゼル機関(7S60ME-C8.2)に搭載して試運転を実施し、その性能を確認した。

国際航海に従事する船舶からのNOx排出量は、国際海事機関(IMO)により段階的に規制されている。舶用ディーゼル機関からのNOx排出量は、平成23(2011)年から適用されている2次規制下では1次規制値比で15〜22%の削減が義務付けられている。さらに、平成28(2016)年からは3次規制として、指定規制海域においては1次規制値比で80%のNOx排出量の削減が義務付けられる。

「K−ECOS」は、舶用ディーゼル主機関の過給機カット運転、水エマルジョン燃料(※1)、排気再循環(EGR ※2)を組み合わせたシステムである。2次規制海域の航行中は、過給機カット運転による燃費向上と水エマルジョン燃料によるNOx排出量削減の効果により、従来の2次規制対応機関と比較して、燃料消費量およびCO2排出量を大幅に削減する。また、3次規制海域を航行する際は、EGRを追加することで、2次規制対応機関と比較し、燃料消費量およびCO2排出量を増加させることなく、NOx排出量を3次規制値まで削減する。

今回完成した「K−ECOS」は、川崎重工業が製造する2サイクルディーゼル機関に搭載され、川崎汽船が進める次世代環境対応「DRIVE GREEN PROJECT」の一環として、ジャパンマリンユナイテッが建造する大型自動車運搬船(平成27(2015)年度末引き渡し予定)の主機として、約2年間の実船試験を行う。

※1 水エマルジョン燃料 
燃料中に細かい水粒子が分散して含まれる燃料。エンジンのシリンダー内に噴射されると内包された水滴が蒸発し、周囲の熱を奪うことで燃焼温度を低下させ、NOxの生成を抑制する。

※2 排気再循環(EGR) 
排ガスの一部をエンジンに還流させることでシリンダー内の燃焼温度を下げ、NOxの生成を抑制する。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 10:09| 環境配慮型輸送用機器導入【取り組み内容別】