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2015年03月16日

【物 流】公取委 荷主と物流事業者との取引について行った調査結果を発表


公正取引委員会(公取委)は荷主と物流事業者との取引において荷主による優越的地位の濫用規制上問題となり得る行為が行われていないかを調査し、平成27(2015)年3月11日に発表した。調査対象期間:平成25(2013)年8月1日から平成26(2014)年7月31日

この調査によると、荷主と物品の運送等に係る取引を行っている物流事業者4,620名のうち、主要な荷主から荷主の都合で運送代金の支払遅延などの不利益を1つ以上受けたと回答した事業者は306名で、全体の6.6%を占めた。そして、物流事業者に責任がないにも関わらず代金を減額されたと回答した事業者は188名で、その割合は全体の4.1%であったが、これは不利益をもたらす他の行為と比べると最も高かった。このような不利益を事業者が受け入れた理由の中には、「今後の取引数量、取引高等に影響があると自社が判断したため(44.3%)」、「荷主から今後の取引数量、取引高等への影響を示唆されたため(21.8%)」があり、物流事業者が今後の取引数量や取引高等へ影響が及ばないようやむを得ず不利益を受け入れていることが分かった。このような荷主の行為は優越的地位の濫用規制上、問題となる可能性があるという。

この他、燃料価格上昇に伴う代金引き上げの状況について、燃料価格の上昇を理由に主要荷主に代金引き上げを要請したことがあると回答した事業者は50.4%で、このうち荷主が代金引き上げに応じてくれた事業者は約70%であったが、代金引き上げに応じてもらえなかったと回答した事業者も27.0%と、一定数見受けられた。加えて、代金引き上げを要請したことのある事業者のうち約10%は、要請しても代金を一方的に据え置かれたり、交渉に一切応じようとしてもらえなかったりしていて、このような荷主の行為も、優越的地位の濫用規制上問題となり得るという。

以上を踏まえて公取委は、「荷主及び物流事業者を対象に講習会を行い、本調査結果並びに優越的地位の濫用規制及び下請法の内容を説明する」、「物品の運送等の取引実態を注視し,優越的地位の濫用規制又は下請法上問題となるおそれのある行為の把握に努め、これらの法律に違反する行為は厳正に対処していく」などして、代金引上げの要請自体をさせないようにする行為や、荷主が一方的に代金を据え置いたりする行為が優越的地位の濫用規制上問題となり得る行為であることを周知していくとしている。

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投稿者:gotsuat 09:37| 行政関連