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2012年06月20日

【流通】東芝、米社と発電とCO2分離・回収が同時に可能な新火力発電システムの共同開発

東芝は、米国ベンチャー企業のネットパワー社、米国大手エンジニアリング会社ショー・グループ、米国大手電力会社のエクセロンと共同で、発電とCO2の分離・回収を同時に実現できる新火力発電システムを共同開発することで合意した。4社は今後、プラント設計などを行い、25MW相当のパイロットプラントを米国内にあるエクセロンの発電所敷地に2014年に建設し、実証試験を経た上で2017年に250MW級プラントの商用化を目指す。

今回開発するのは、超臨界圧のCO2を用いた酸素燃焼の循環システムで構成され、CO2を有効活用でき、NOxを排出しないゼロエミッションの火力発電システム。このシステムを用いることで、CO2を分離・回収する設備(CCS)を別に設置することなく、高純度の高圧CO2を回収することができる。高圧のCO2は貯留することも可能なほか、米国などの石油採掘現場で用いられている「EOR(※)」に適用でき、CO2を有効活用できる。

今回の共同開発において、東芝は同システムのキーコンポーネントである高温・高圧のタービン・燃焼器の開発を担当する。同社が研究・開発を進めてきた高温タービン用材料技術を活用するほか、同社の保有する燃焼技術・冷却技術を応用して、革新的なタービン・燃焼器の開発を進める。ネットパワー社およびショー・グループは発電プラントの全体エンジニアリングを、エクセロンはパイロットプラントの用地提供および許認可の取得を担当する。今回、米国の大手電力会社であるエクセロンや発電プラント建設で多数の実績があるショー・グループと共同開発し、25MWのパイロットプラントで本システムの早期実証を目指す。

4社は共同開発完了後、EORのニーズの高い米国や中東地域等で、同システムの事業展開を図るとともに、環境調和性の高い本システムを供給することで、エネルギーの最適活用および地球温暖化防止に貢献する。

※ EOR Enhanced oil Recovery
老朽した油田の掘削現場において、高圧のCO2を注入し、石油の採掘量を増大させる手法

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投稿者:gotsuat 09:40| 流通