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2012年05月09日

【流通】DNPグループ 関連本を知的に探し出す「探索型書籍ナビゲーションシステム」開発

大日本印刷(以下:DNP)は、DNPグループの丸善、編集工学研究所と連携し、1冊の本から多様な関連する本を探し出す「探索型書籍ナビゲーションシステム」を開発した。

探索型書籍ナビゲーションシステムは、任意の1冊の本から、書籍の内容(書誌情報)を基に、多様なキーワードから「新たな関連や視点を発見出来る本」、「意外な関係性を提示してくれる本」などを探し出して表示する。また、表示した本と広義に関連する別の本を検索することも可能で、生活者は、知的好奇心を高めながら、実際の書店で楽しみつつ本を探すような感覚をインターネット上で体験することができる。

今回、当システムのベータ版を、丸善が大学や医療機関、企業などの法人会員向けに運用している書籍販売サイト「KNOWLEDGE WORKER(ナレッジワーカー)」の新機能として運用を開始する。

2002年以降、年間7万点を超える新刊書籍の出版が続いており、そうした膨大なタイトルの中から、生活者が自分の趣味・嗜好に合う本や面白いと感じる本と出会うことが難しい状況となっている。購入したい本やジャンルが決まっている場合には、各書籍販売サイトで従来から運用している、キーワード検索や利用頻度・購入履歴からのレコメンデーションシステムが有効だが、興味はあっても自分が知らない新たなジャンルの本に出会う仕組みやサービスは提供されていない。

DNPグループでは、電子書店や電子図書館など出版市場の活性化に向けた事業を展開しているが、一方で「生活者と本の出会い」を促す新しい仕組みも必要と考え、今回、探索型書籍ナビゲーションシステムを開発した。

探索型書籍ナビゲーションシステムは、以下の3つの要素を組み合わせることで高度な本の探索を可能にした。

1.編集工学研究所所長の松岡正剛氏が、30年にわたる編集経験をもとに、世界の知を文脈的に体系化した約5,000の見出しコードからなる「目次録」

2.図書館流通センターが全国約85%の公共図書館に提供している約300万冊を越える書誌データベース「TRC MARC」

3.DNPのテキストマイニング技術(テキストから役に立つ知識や情報を見つけ出す技術)を活用して、言葉同士の関連性の強さを数値化する「連想検索エンジン」

今回、読書経験豊富な専門家が、「目次録」の見出しコードごとに5冊程度の本(キーブック)を選書している。生活者が本を1冊選ぶと、その本と最も関連性の高い見出しコードに紐付けられたキーブックが表示され、さらにそれらのキーブックに含まれるキーワードと、「TRC MARC」の書誌情報を「連想検索エンジン」で関連付ける。探索型書籍ナビゲーションシステムでは、この機能を「連索(れんさく)」と呼び、生活者が予想もしていなかった、幅広い本の探索を可能にしている。

DNPと丸善は、探索型書籍ナビゲーションシステムのユーザインタフェース(使い勝手や画面デザイン)の評価を行い、DNPグループの電子書店サービス「honto」やオンライン書店、リアル書店でのサービス展開を目指す。また、書籍販売サイトへのASPサービスとしての提供や、図書館の利用促進施策や重版未定本(絶版本)のプリントオンデマンド・サービスにおけるシステム提供も検討する。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:40| 流通