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2012年04月25日

【流通】三菱重工メカトロシステムズ コメ専用の放射能検査装置を開発

三菱重工メカトロシステムズは、コメ袋に含まれる放射性セシウムを高速で測定する高精度な放射能検査装置を開発した。30kgコメ袋を受入コンベアに乗せてスタートボタンを押すだけで、1分当たり約4袋分の測定が可能なコメ専用の検査装置で、2012年4月から施行された食品衛生法の新基準値にも対応する。

この放射能検査装置は、放射線計測機器メーカーのセイコー・イージーアンドジーと共同で開発した。2011年以降、農作物に含まれる放射性物質に社会的関心が高まる中、福島県は2012年秋に収穫されるコメから全袋検査する方針を打ち出しており、今回開発した装置はこの全数検査に対応する。

今回開発した装置は、検査室全体を遮蔽で覆い、外界からの放射線を遮断した状態で放射性セシウムを測定するのが特徴で、環境からの放射線の影響を排して高精度の測定ができる。それにより、測定下限値は5秒測定時15ベクレル/kg以下、15秒測定時10ベクレル/kg以下を実現して、新たに適用された食品衛生法の新基準値および「食品中の放射性セシウムスクリーニング法の一部改正」に対応した測定を行う。なお、搬送装置は不合格品取り出しラインの追設などユーザーの要望により多様に変更で、オプションとしてコメ袋の質量計追加などにも応じる。

装置の分析対象は放射性セシウム134と137。すでにコメ袋を使った測定試験を行い、所期の目標を達成して性能評価を完了。現在はフィールドテストを実施中で、早期の販売開始に繋げる。

今回の装置は一次スクリーニングを行う装置であり、そこで不合格となったコメ袋は精密測定が必要となる。その精密測定に必要なゲルマニウム(Ge)半導体検出器を使用した放射能測定装置に関しても、セイコー・イージーアンドジーの協力を得てトータルで提案していく。販売は、農業分野に広範なネットワークを持つ三菱農機株式会社を窓口とし、据付工事、アフターサービスも同社が対応する。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:40| 流通