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2012年04月02日

【知識】東京医科歯科大学とソニー 医療分野での包括連携協定に基づくプログラムを開始

東京医科歯科大学とソニーは、2011年9月8日に締結した包括連携協定に基づき、従来の基礎研究での共同研究から発展させたより幅広い協業について協議した結果、2012年4月から、研究協業拡大・医療研究人財育成などのプログラムをスタートする。

東京医科歯科大学は、2004年4月の独立行政法人化に合わせて、異業種企業との医歯工連携を行うべく、学内にオープンラボを整備して以来、様々な企業との協業を推進している。ソニーは、長年培ってきたエレクトロニクス技術を、生命科学や医療分野へ応用することを目指して、従来から、国内外の医科系学部を持つ大学や医療研究機関との共同研究を幅広く進めている。その一環として、この東京医科歯科大学のオープンラボ制度に応募し、2004年からオープンラボに入居、エレクトロニクス技術を活用した生命科学領域での基礎研究を、東京医科歯科大学との共同研究によって進めてきた。オープンラボでの共同研究の例としては、2011年10月に発表した誘電サイトメトリー(細胞の電気的性質の違いを利用して、個々の細胞を標識物質なしに識別する技術)がある。

近年、これらの地道な活動が実を結び、お互いの交流や基礎研究における協業が活発化する中で、従来の基礎研究活動の枠に収まらない協業の検討についても議論されることが増えてきた。そこで、この度、東京医科歯科大学としては、学術研究・教育・診療・社会貢献活動の活性化の目的で、ソニーとしては、研究開発業務を強化・推進する目的での協業関係の拡大について、2011年9月8日に包括連携協定を締結し、協議を進めてきた結果、2012年4月から下記のプログラムを進めていくことになった。

1 「ビジュアライズド・メディスン」の検討に向けた研究サポートファンド
従来の基礎研究分野での協業の加速や、包括連携のテーマである「ビジュアライズド・メディスン(Visualized Medicine)」の検討に向けて、東京医科歯科大学、ソニー双方に共通の研究テーマに対して臨床応用を視野に入れた研究サポートファンドを設定し、医療機器、臨床プロトコル開発などの基礎、臨床研究を加速する。テーマの一つとして、3Dヘッドマウントディスプレイ技術の3D内視鏡腹腔鏡手術への適用検討などが挙げられる。

2 「ビジュアライズド・メディスン」を推進するための各施策プログラムの実施
医歯工連携を進めるために、「ビジュアライズド・メディスン」に関連するテーマを連携協議会了承の下に抽出し、各テーマに沿った形で東京医科歯科大学内外からその分野の有識者を招聘して双方の研究者向けの「クリニカルサミット」を行う。ソニーの若手研究者などの医療研究分野でのレベルアップを図るために東京医科歯科大学大学院で専用の教育プログラムを設定し、1年間の大学院研究生として教育するプログラムを実施することで、専門性を持った人財を育成する。(初年度4名の研究員派遣)また、将来有望な若手の外国人海外留学生に十分な研究、教育環境を与えるとともに、医歯工連携によるエレクトロニクス技術の適用など先端的な研究領域も視野に入れた教育支援プログラム(スカラーシッププログラム)を実施する。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:35| 知識