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2012年03月29日

【物流】「国際物流フォーラム2012」 開催概要

国際物流戦略チームは平成24(2012)年3月14日に開催した「国際物流フォーラム2012」の概要を公表した。

同フォーラムでは、前年12月に政府に指定された「総合特区」を踏まえた国際物流の方向性や西日本全体の広域物流のあり方、「国際物流戦略チーム」が今後果たすべき役割等についての議論が行われ、およそ220人が参加した。

関西経済連合会の森 詳介会長による挨拶後、まず、和泉 洋人事務局長による基調講演が行われた。この中で、和泉事務局長は、関西イノベーション国際戦略総合特区の目標として、関西からの医薬品・医療機器の輸出を増加させ、世界市場でのシェアを倍増させることや関西の電池生産額を大幅に増加させることを挙げ、これを実現するための政策課題や解決策、規制緩和・特例措置等について説明した。こうした取り組みにより期待される効果として(2025年時点)、医薬品・医療機器の輸出が約1兆円、電池の生産額が約5兆円に伸びると予想している。

この他、黒田勝彦 神戸大学名誉教授による「近畿の国際物流の近況と戦略チームの取組」、戸田常一 広島大学教授による「瀬戸内臨海部産業の競争力と防災力の強化に向けて」、土井健司 香川大学教授から「広域物流がもたらす四国の物流の発展」と題した報告がそれぞれ行われた。

なお、最後の総合討論においては、主に以下のような意見が寄せられた。

【総合討論の主な意見】
・「総合特区」の活用による地域経済の発展のためには、輸出を下支えする国際物流インフラ(国際戦略港湾「阪神港」、関西国際空港)の機能強化とともに、荷物を創る「創荷」という新しい取組が必要。
・現在コンテナ輸送に関して釜山港経由が安く設定されているが、日本の港湾がハブ機能を失えば、将来的に値上げに転じる。だからこそ、国際戦略港湾の機能強化が必要であり、スケールメリットを出すための集荷が必要。
・阪神港は「国際コンテナ戦略港湾」を更に充実させ、中国は「国際バルク戦略港湾」、四国は「フェリー」というそれぞれ強みを活かした「西日本の連携」を期待。
・東南海・南海地震等への対応やコンビナート防災の観点からも広域的な連携を行うべき。
・今後も、近畿、中国、四国が連携した取組を効果的に進めるため、連絡会の設置などの体制づくりを行うべき。
・「ものづくり」の裏側に「物流」があることを忘れず、消費者、顧客が何を望んでいるかを念頭におくことで、今後の国際物流戦略チームの取組が更に発展することを期待。


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投稿者:gotsuat 09:45| 国際物流