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2012年03月29日

【流通】神戸製鋼所 ゆふいん庄屋の館向けに小型温泉発電システムを受注

神戸製鋼所は大分県由布市の温泉旅館「ゆふいん庄屋の館」(以下:庄屋の館)向けに、バイナリー発電システムを受注した。出力100kW以下の小型バイナリー発電システムが地熱・温泉発電に実用として利用されるのは国内で初めて。年内に機器の納入・設置を完了し、稼動を開始する予定。

今回受注した高効率・小型バイナリー発電システム「マイクロバイナリー MB−70H」(以下:マイクロバイナリー)は、神戸製鋼所が2011年10月に発売した70℃〜95℃の温水を使用する出力100kW以下クラスの小型バイナリー発電システムとしては、国内初となる画期的なシステム。世界で初めて半密閉スクリュタービン方式を採用することで、高効率かつ安定的に最大70kWの発電が可能。

マイクロバイナリーは2011年秋の発売以降、温泉など再生可能エネルギーの活用や工場排温水の再利用などの用途向けを中心に、官民合わせ多数の問合せ・引合いを頂いており、特に地熱・温泉発電に関する案件が全体の3割近くを占めている。具体的には、温泉旅館のほか、自治体等から防災拠点の発電システムとしての適用が期待されている。マイクロバイナリーの主な特長は以下の通り。

1 熱源や冷却水の温度の変動に強いスクリュタービンにより、安定的に高効率の発電が可能
2 安全な不活性媒体を使用
3 狭い温泉地にも設置可能なコンパクト設計

ゆふいん庄屋の館は、地下約700mから吹き上げる温泉蒸気、熱水の源泉を保有しており、かねてよりこの豊富な温泉エネルギーを有効利用したいと考えていた。このような中、神戸製鋼所がマイクロバイナリーを開発中の段階から同システムに注目して頂き、当社グループ会社である神鋼商事を代理店として、このたび導入が決定したものです。

今回のシステムでは、自噴泉を蒸気と熱水に分離した後、その蒸気から熱交換器を介して生成された温水をマイクロバイナリーに供給する。マイクロバイナリーの内部では、温水から作動媒体に熱交換され、低沸点の作動媒体が沸騰してスクリュタービンを回し、最大約70kWの発電を行う。(最大送電量50kW)分離された熱水及び発電に利用された蒸気は、そのまま温泉に利用される。なお、発電したグリーン電力は全量、再生可能エネルギー固定価格買取制度(2012年7月施行予定)を活用して売電する予定にしている。

神戸製鋼所は、マイクロバイナリーのほか、小型蒸気発電機や蒸気圧縮機、ヒートポンプなどのエネルギーソリューションメニューを保有している。さらに、100℃〜130℃の蒸気によって120kW級の発電が可能な蒸気熱源バイナリー発電システムを2012年秋の発売に向けて開発中であるなど、メニューの更なる拡充も進めている。今回のマイクロバイナリー初受注を機に、これら製品群を通じて、地熱・温泉発電やバイオマス発電などの再生可能エネルギーによる創エネや、未利用エネルギーの有効活用による省エネの実現に貢献するとしている。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:40| 流通