<< 前のエントリ合通ロジのトップページへ次のエントリ >>
2012年01月13日

【流通】富士通 地中熱採熱システムを長野工場に導入

富士通は、地中熱を採熱するシステムを富士通グループで初めて長野工場に導入し、2012年1月上旬より運用を開始する。同システムは、工場敷地内の地中に採熱管を埋め込み、そこで得た地中熱を熱源として24時間稼働しているクリーンルームなどの空調用温水設備への供給に活用する。安定性、コスト性に優れた地中熱を利用することで、従来の設備と比較し、燃料使用量を原油換算で年間約47キロリットル(kL)、CO2排出量を年間約120トン(t)削減すると見込んでいる。今後、同システムの効果検証と運用ノウハウの取得を行い、富士通グループの拠点への横展開を検討する。

富士通グループは、第6期富士通グループ環境行動計画において再生可能エネルギーの利用拡大を推進しており、これまでも、館林データセンターや川崎工場などで太陽光発電などの再生可能エネルギーを導入している。今回、省エネルギー化やCO2排出量の削減、また運用ノウハウの取得を目指し、富士通の施設・管理業務を担う富士通ファシリティーズと共同で、主に同社のプリント基板を製造・開発している長野工場に、安定性、コスト性に優れた地中熱採熱システムを導入する。これまで富士通グループにおける自然エネルギーの利用先は、オフィススペースなどを対象としていたが、同システムでは製造工場のクリーンルームの空調用温水設備への供給に活用する初めての試みとなる。

地中熱採熱システムは、工場敷地内の道路の地中に、採熱管を31本埋め込み地中熱交換器を形成、そこで得た地中熱を熱源としてヒートポンプチラー(※)で温水を製造し、24時間稼働しているクリーンルームなどの空調用温水設備に供給する。温水の熱源として地下水を直接利用するのではなく、地中熱のみを利用する。また、採熱管には最新型の波付同軸二重管方式を採用することで、採熱性が高く、さらに柔軟性に優れた素材により地震による破損が小さいというメリットがある。同システムの導入により、従来のガスボイラーシステムによる温水製造と比較して、原油換算で年間約47kL、CO2排出量を年間約120t削減することが可能。

今後、同システムの効果検証と運用ノウハウの取得を行い、地中熱採熱システムの長野工場での導入拡大や富士通グループ拠点への横展開を検討し、地中熱や太陽光など再生可能エネルギーの利用を推進する。

※ ヒートポンプチラー
ビルや工場などの空調に使用する冷水および温水をつくる電気機器。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:40| 流通