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2011年11月10日

【流通】北海道大学 大学研究者に向け学術クラウドシステムサービス提供

北海道大学(以下:北大)の学際大規模情報基盤共同利用・共同研究拠点である北海道大学情報基盤センターにおいて、2011年4月から構築してきた国内最大規模の学術クラウドシステム「北海道大学アカデミッククラウド」が完成した。主に全国の大学研究者に向け、サービスの提供を開始した。

「北海道大学アカデミッククラウド」は、「学際大規模計算機システム」の一部として、170テラフロップス(※1)を超える演算性能を有するスーパーコンピュータシステムとともに運用されるもので、全国共同利用施設として、北大ならびに全国の大学研究者の学術用途にオンデマンドで利用できる仮想サーバや、複数の計算機をまとめたクラスタパッケージによるMPI(※2)環境、Hadoop(※3)などの分散処理環境、さらにオンラインストレージやブログなどの利用環境をクラウドの形態(IaaS/PaaS)(※4)で提供する。

具体的なサービスメニューとしては、OSやミドルウェアのほか、ブログやWiki(※5)などの各種アプリケーションを含めて利用できるサービスで、冗長化構成により高い信頼性を実現している「ホスティングサーバ」と、OSやミドルウェアなどを研究者の利用用途に応じて自由にカスタマイズし利用できるサービスで、冗長化構成を省き仮想サーバを安価に提供するとともに、クラスタ化を可能とした「プロジェクトサーバ」の2種類を用意している。

「北海道大学アカデミッククラウド」は、全国の大学研究者の学術用途ならびに研究支援を目的として提供する。利用希望者は、情報基盤センターのポータルページから利用申請をすることで、研究に必要な仮想サーバの利用を簡単、かつ迅速に始めることができる。同サービスを利用することで、利用者自身がサーバやストレージを設置・構築することに比べ短時間で必要な環境を用意できるため、より多くの時間を研究のために利用できる。

「北海道大学アカデミッククラウド」は、日立製作所が日立クラウドソリューション「Harmonious Cloud」のプライベートクラウドソリューションを活用し構築した。

 北大は、この「北海道大学アカデミッククラウド」を、より多くの大学研究者に提供することで、日本の学術研究基盤のさらなる高度化と恒常的な発展に資する役割を果たす。日立製作所は、今後も、大学や研究機関などの高度な研究環境を支える高性能、かつ信頼性の高いスーパーテクニカルサーバやディスクアレイシステムなどの開発を進め、提供する。また、これまで培ってきた多くのクラウドシステム構築の実績に今回のシステム構築によるノウハウも加え、今後もクラウドソリューションを強化する。


※1 1テラフロップス
浮動小数点演算を1秒間に1兆回実行する能力

※2 MPI(Message Passing Interface)
複数のCPUが情報をバイト列からなるメッセージとして送受信することで、複数の計算機による並列処理を可能とする

※3 Hadoop
オープンソースソフトウェアコミュニティ Apache Software Foundationにて開発・公開されているソフトウェアで、大規模データを効率的に分散処理・管理することに優れている。

※4 IaaS/PaaS(IaaSはInfrastructure as a Service)
情報システムの稼働に必要な機材や回線などの基盤(インフラ)を、インターネット上のサービスとして提供するもの。PaaSはPlatform as a Serviceの略で、アプリケーションソフトの稼働に必要なハードウェアやOSなどの基盤(プラットフォーム)一式を、インターネット上のサービスとして遠隔から利用できるようにしたもの

※5 Wiki
WebブラウザからWebページの編集・発行を行うことができるシステム

※6 10ギガビットイーサネット
10ギガビット毎秒の伝送速度を実現する国際標準のイーサネット伝送方式

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:40| 流通