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2011年09月08日

【流通】DNP 植物由来のバリアフィルム「バイオマテックIB−PET」を開発

DNP(大日本印刷)は、植物由来の原料を使用した包装材用の透明蒸着バリアフィルム『バイオマテックRIB−PET』を開発した。この新バリアフィルムは、DNPが開発済みの植物由来のポリエチレンフィルム『バイオマテックRPE』などと貼り合わせることで、水蒸気や酸素に対する優れたバリア性を備えた包装材に加工することができ、廃棄後の焼却時に発生するCO2排出量を最大50%削減する。

DNPは持続可能性・生物多様性に配慮した包装材の実用化を積極的に推進している。その一環として、2011年5月に植物由来の原料を使用したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム『バイオマテックRPET』の量産を開始した。

今回、バイオマテックPETに水蒸気や酸素の透過を抑えるバリア機能を透明蒸着によって付与したバイオマテックIB−PETを開発した。植物由来の透明蒸着バリアフィルムは国内で初めての開発事例であり、量産に向けて国内外の企業へサンプル出荷を始めている。

包装材の内面層に用いるポリエチレン(PE)フィルムについても、植物由来の原料を使用したバイオマテックPEを開発済みで、採用が決定している。これにより軟包装の包装材を構成する主要なプラスチックフィルムについて植物由来フィルムのラインナップが揃い、高いバリア性が求められる食品や医薬品、工業製品などの包装材への利用が可能となった。

バイオマテックシリーズは、石油由来原料の一部を植物由来原料に置き換えることで石油使用量の削減を実現しながらも、石油由来フィルムと同等の物性と加工適性を有している。同シリーズのフィルムを組み合わせて製造する包装材は、石油使用量を最大50%削減するとともに、焼却時のCO2排出量も最大50%削減する。一般的に植物由来フィルムは石油由来フィルムに比べて高価だが、バイオマテックシリーズを用いた包装材は製造コストを2〜3割程度の上昇に抑えた。

DNPは、食品や飲料、日用品のメーカーなどに提供しているに包装材を順次バイオマテックシリーズに切り替えていく予定で、海外メーカーの関心も高いため、海外市場への展開も積極的に推進する。将来的には、石油由来フィルムと同程度の価格となるようコストダウンの取り組みを継続するとともに、紙容器や成型品への展開を図り、バイオマテックシリーズの普及を促進しする。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:40| 流通