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2011年06月08日

【流通】KDDI研究所 ビデオや写真のコミック風コマ割り技術を開発

KDDI研究所は、時系列等の順序のある複数の画像を、コミックの様に同一画面に自動コマ割り配置する技術を開発した。画像中の顔等の重要な要素を判別し、構図が最適となるように切り抜いて順序通り画面上に配置するため、ストーリー性を保った見栄えの良い表示を行うことができる。この技術により、長時間のホームビデオや大量の写真コンテンツから、コミック風デジタルアルバムを自動で作成することができ、利用者はコミックを読む感覚で手軽に大切な思い出を閲覧することができる。

近年、デジタル撮影機器の普及により、家庭で多くのビデオや写真コンテンツが撮影され、保存されるようになったが、撮影の手軽さの反面、保存したコンテンツの利活用が進まないという問題があった。コンテンツの保存方法についても、従来から、写真のアルバム表示を模したレイアウト技術はあるが、写真を同一形状で順次並べるため、見た目が単調で場面の雰囲気が伝わり難い。また、コミックのように異なる形状のコマを設定して、複数の静止画像を一画面に表示するコマ割り方式もあるが固定されたコマに合わせて画像をはめ込むため、構図的に好ましくないコマ割りになることや、重要な領域が欠落するといった問題が起きていた。

今回開発した構図自動最適化技術は、顔などの重要な画面中の要素を含みながら、構図的に適切な領域で切り抜き、その領域の形状に合わせて画像をアルバムのコマに順序を保ってバランスよく自動コマ割りすることができる。これにより、コミックの様にストーリーが保たれるとともに、顔等の重要領域が切られることがなくなった。また、建築物の高さや庭園の広さを表現したい画像はそれぞれ縦長や横長形状になるようコマにレイアウトされることで、場面の雰囲気が直感的に得られるようになった。同技術を、結婚式等で撮影した写真に適用することで、スライドショーとは異なる新鮮な印象でイベントを振り返るアルバムを作ることができる。動画像に適用した場合は、時系列に沿って抽出された画像がコマ割り表示されるため、イベントの展開が一目で理解可能となる。また、コメントや吹き出しをコマに挿入することで、作品としての作り込みもでき、他者と共有する楽しみが生まれる。

KDDI研究所は、今後、ホームビデオやイベント写真の見出し画像やアルバム作成サービスへの応用を進めるとともに、その他の利用法として録画したテレビ番組のコミック化などへの応用も検討する。


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投稿者:gotsuat 09:40| 流通