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2011年05月20日

【物流】「計画的避難区域」、「緊急時非難準備区域」でのトラック運行留意点

平成23(2011)年5月13日、全日本トラック協会(全ト協)が「計画的避難区域」、「緊急時非難準備区域」でのトラック運行の留意点を発表した。

これは、東日本大震災の影響により、設備に甚大な損傷を受けた福島第一原子力発電所から、半径20q以遠の周辺区域が、「計画的避難区域(※1)」、「緊急時避難準備区域(※2)」に設定されたことに伴い、国土交通省自動車交通局貨物課長が、4月27日付で全日本トラック協会会長宛にこれらの区域内でのトラック運行について留意点を通達したもの。傘下の会員事業者にも周知するとともに、「計画的避難区域」及び「緊急時避難準備区域」における物資輸送について、これらに基づき適切な運行に努めるよう促している。

なお、留意点をまとめた原子力災害対策本部は、トラックの運行等の業務のみに従事するため、一時的に「計画的避難区域」及び「緊急時避難準備区域」に入域する場合、車両内部にいる間は放射線がある程度遮蔽され、放射線による影響は十分低く抑えられるとして健康上問題はないとしている。このため、区域内への入退域に関し、スクリーニングを実施する必要はないとしている。

「計画的避難区域」、「緊急時非難準備区域」でのトラック運行の留意点は以下の通り。

【計画的避難区域】
(1)移動時間や活動時間を可能な限り短縮するため、
  前もって業務内容等を把握しておく。
(2)車両のエアコンを使用する場合には内気循環とする。
(3)屋外で作業する場合は、マスクをし、肌を出さないように長袖の衣類、
  手袋及び帽子を着用する。
(4)なるべく雨に濡れないようにする。濡れた場合は、
  タオル等で濡れた部分を拭き取るか、着替える。
(5)帰宅時に手や顔を洗い、うがいをする。
(6)帰宅時に靴の泥をできるだけ落とす。
(7)土ぼこりや砂ぼこりが多いときには窓を閉める。
(8)屋外でほこり等が多いところでの喫煙、飲食等を避ける。
(9)屋外に保管してあったもの(自転車、三輪車等)を運び出す際は、
  洗浄するか拭き取る。

【緊急時避難準備区域】
(1)移動時間や活動時間を可能な限り短縮するため、
  前もって業務内容等を把握しておく。
(2)車両のエアコンを使用する場合には内気循環とする。
(3)外出時に通常の服装でかまわない。気になるようであれば、
  マスクをし、肌を出さないように長袖を着る。
  なお、風が強くて土ぼこりが多いようなときの外出の際は、
  なるべくマスクを着用するとよい。
(4)なるべく雨に濡れないようにする。濡れた場合は、
  タオル等で濡れた部分を拭き取るか、着替える。
(5)屋外での活動後等には、手や顔を洗い、うがいをする。
(6)帰宅時に靴の泥をできるだけ落とす。
(7)土ぼこりや砂ぼこりが多いときには窓を閉める。

※1 計画的避難区域
事故発生から1年間の期間内に積算線量が20ミリシーベルトに達する恐れのある区域。
〈福島県葛尾村、浪江町、飯館村、川俣町の一部、南相馬市の一部)

※2 緊急時避難準備区域
従前の屋内退避区域の内、「計画的避難区域」以外の区域。
(福島県広野町、楢葉町、川内村、田村市の一部、南相馬市の一部)

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投稿者:gotsuat 09:45| 行政関連