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2010年11月30日

【流通】シアン汚染土壌に対応した土壌洗浄法を開発

大成建設と東邦ガスは共同で、洗浄水中に添加剤を加えることにより、シアン汚染土壌を汚染サイトの外に持ち出すことなく洗浄、分級(※)できるシステムを確立した。今後、大成建設は、ベンゼン・シアン汚染のサイト内での原位置浄化技術として確立している「注水バイオスパージング工法」と当システムを組み合わせ、さまざまな条件のシアン汚染土壌案件に対し、サイト内での浄化を実現していく。 

2010年4月の土壌汚染対策法の改正により、汚染土壌の場外搬出が抑制され、今まで以上にサイト内での土壌浄化が求められるようになった。シアン化合物に関しては、これまでも飽和層と呼ばれる地下水域より下部の汚染は、「注水バイオスパージング工法」を用いて原位置での浄化ができた。一方で、不飽和層と呼ばれる地下水域より上部の汚染は、重金属汚染で一般に用いられる単純な分級(※)主体の洗浄法を適応しても、一般の重金属と異なり水溶性が高いため、洗浄水に溶け出したシアン化合物が再度土壌内に付着してしまう問題があった。そのため、不飽和層でのシアン汚染土壌は、場外へ搬出して処理する以外、今までは有効な対応策がなかった。

大成建設はその水溶性の高いシアン化合物が添加剤と反応して難溶解性塩を形成することに着目し、その難溶解性塩(沈殿物)を回収する方法を組み込んだ洗浄・分級システムを開発、実証実験の上、その効果を確認した。同システムは、場外搬出処理といった従来手法に比べ、3〜4割の浄化コストの削減が可能な上、汚染土壌を場外に出すことなくサイト内で完全浄化できる。


※分級
浄化された土壌粗粒分と汚染が濃縮された土壌細粒分とを分けること。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:40| 流通