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2010年10月29日

【知識】東洋電機製造と日立 海外向け鉄道車両用電機品事業に関する業務・資本提携

東洋電機製造と日立製作所(以下:日立)は、海外向けの鉄道車両用電機品事業に関して、グローバル市場における競争力強化とそれによる事業拡大を目的に、業務・資本提携契約を締結した。両社は今後、海外における鉄道車両用電機品案件について、システムの取りまとめの分担や得意とする製品の相互供給を行うことで競争力を強化し、海外事業の拡大を推進する。

現在、電力システムや鉄道システムに代表される社会インフラは、新興国を中心に市場の拡大が見込まれている。また、既に一定水準の社会インフラが整備された先進国・地域においても、高度な情報通信システムに支えられた社会インフラのリノベーションが求められている。

特に、グリーン・モビリティの一つである鉄道システムは、環境負荷が小さく大量輸送が可能な交通機関として評価が高まっている。それに伴い、欧州、アジア、中東、北米、中南米など、世界の多くの地域で新規建設や延伸、車両・システムの改良による高速化などの動きが活発化しており、海外の鉄道システム市場は拡大しつつある。特に駆動システムを含む車両用電機品分野は、鉄道車両の効率化、信頼性の向上に大きく貢献するものであり、新規建設や延伸の需要だけでなく、車両の改良の需要も今後拡大していくものと予測される。

東洋電機製造と日立はそれぞれ、鉄道車両用電機品(制御装置を含む駆動システム、補助電源装置など)およびその関連システムに関して先進の製品群や技術、ノウハウを有しています。とりわけ、国内の鉄道事業者向けに培った、主制御機器を含む駆動システムは国内外の市場で高い信頼を得ている。東洋電機製造では直流システム制御装置に加えてパンタグラフや歯車装置などの機械分野も得意とする一方、日立では高速鉄道に採用されている交流システムの制御装置などに強みを有するなど、製品面で相互に補完し合える関係にある。

両社の業務提携は、このような市場の動向、両社の実績を踏まえたものであり、東洋電機製造と日立は両社のリソースを活用しながら、海外案件に対し、システムの取りまとめの分担や製品の相互供給を行っていくほか、製品設計・開発の分担についても検討していく。さらに、海外案件向けの外部調達資材の共同購買や共同開発を行うことにより、システム競争力の強化、海外事業の拡大を図る。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:35| 知識