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2010年09月29日

【流通】関西電力 マングローブの植林技術とエタノール化技術の開発

--- 京大などと共同でタイで開発開始 ---

関西電力は、グループ会社の環境総合テクノス(以下:KANSO)、京都大学と共同で、マングローブの一種であるニッパヤシの植林技術とエタノール化技術の開発を行う。

タイでは、天然のマングローブ林を伐採して造ったエビの養殖池が放置されて荒廃地となり、CO2吸収源の減少や地域の生態系の破壊等、大きな環境問題となっている。こうした中、関西電力は2000年度からKANSO、およびタイ政府と共同で、CO2固定能力が高いマングローブの大規模植林技術の研究を開始し、「マングローブ生長予測システム(※)」等、植林技術にかかる成果を得ている。

また、化石燃料の代替エネルギーとしてバイオエタノールが注目されていますが、その原料の多くはトウモロコシやサトウキビなどの植物で、食料との競合や森林伐採に繋がるなどの問題が指摘されている。


そこで今回、マングローブの一種で、樹液に糖分が多く含まれるニッパヤシを、タイの荒廃地に植林する技術と、樹液をエタノール化する技術の開発を行うこととなった。

これらの技術開発により、荒廃地がマングローブ林に変わることで、ニッパヤシが大気中のCO2を吸収するだけでなく、地域の自然環境を修復することが可能であり、地域社会にも貢献できるとしている。また、樹液から製造したバイオエタノールはガソリンの代替燃料として使用でき、約20万haと推定されているエビの養殖池跡地の荒廃地に植林した場合、年間約50万のバイオエタノールを製造することが可能で、ガソリンの代替燃料として使用すると、年間約80万tのCO2を削減できると試算している。

緘印電力などは、2010度から2012年度まで、植林により得られたニッパヤシの生長データの分析やエタノール化の試験等を行い、それらの結果を踏まえ、2013年度以降に、事業化の判断を行う。


※ マングローブ生長予測システム
世界で約70〜100種存在するとされるマングローブのうち、代表的な4種(シロバナヒルギ等)について、生長に大きな影響を与える13種類の要因を明らかにし、それをもとに生長を予測することで、植林に適した土地であるか否かを診断する技術

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:40| 流通