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2010年09月29日

【知識】日立とパナソニック 中国などにおけるスマートコミュニティ事業で協業

日立製作所(以下:日立)とパナソニック(以下:パナソニック)は、低炭素社会の実現に向けて、グローバル市場でのスマートコミュニティ関連事業において、協力関係を構築する。具体的には、日立が強みを持つコミュニティエネルギーマネジメントシステム(以下:CEMS)の技術と、パナソニックが強みを持つホームエネルギーマネジメントシステム(以下:HEMS)技術を基に、CEMSとHEMSの実用化と普及をめざして、インターフェイスの共同開発や標準化への取り組みなどを推進する。

スマートコミュニティは、「低炭素社会」を実現する持続可能な社会システムの重要な要素の一つで、次世代電力網であるスマートグリッドを中心とした電力システム、交通システム、上下水道処理施設などの社会インフラやビル、住宅などを情報通信技術でつなぎ、全体を最適に制御することにより、人々が生活する空間を安全・安心で、快適なものとして維持させながら、CO2削減などの環境負荷の最小化や、総合的な社会コストを抑制する。

そのスマートコミュニティを実現するためには、エネルギーの供給側から需要側までのすべてのシステムを連携させた上で、地域内でのエネルギー需要の調整、機器・設備の監視、運用や付加価値サービスの提供、各家庭での効率的なエネルギーの管理を行うことが必要であり、このようなエネルギー管理のためにCEMSやHEMSのようなシステムが必要とされる。

CEMSは、風力発電、大規模太陽光発電などの新エネルギー発電も含めた発電設備からの系統電力の供給側と、戸建て住宅、マンションやオフィスビル、電気自動車(EV)充電システムなどの需要側のさまざまなシステムを連携させ、管理・運用し、HEMSは、各家庭の家電製品、太陽光発電機器、家庭用EV充電器や蓄電池などの設備機器をつなぐことで、家全体のエネルギー使用量、省エネ目標値の達成状況やアドバイスを見える化し、家庭内の省エネをサポートする。

これまでそれぞれで開発してきた日立のCEMS技術とパナソニックのHEMS技術を基に、日立が環境技術および環境ソリューションの提供について協力している「中国・シンガポール天津エコシティ」(中国名:中新天津生態城)や、そのほかのプロジェクトにおいて、日立とパナソニックはCEMSとHEMS間のインターフェイスの国際標準化の共同研究開発を視野に入れたアクセス方式の共有化を行うとともに、CEMSおよびHEMS関連事業の市場情報の共有などを実施する。

日立は、スマートコミュニティ関連事業を社会イノベーション事業の拡大における成長エンジンと位置づけ、今まで培った情報通信、情報制御や社会インフラ技術をはじめとする日立グループの持つ様々な技術を融合し、環境配慮型次世代都市の実現に向けて、電力、ガス、熱、交通、上下水道処理などの社会基盤を総合的に提供するため、日立グループを横断する社長直轄の組織である「スマートシティ事業統括本部」を設置し、国内外の実証実験、大型エコシティプロジェクトに参画している。

パナソニックは、エナジーシステム事業をグループのフラッグシップ事業と位置づけ、「省エネ」「創エネ」「蓄エネ」の各機器と、それらをつなぐ、HEMSなどエネルギーマネジメントにより、エナジーソリューションを提供している。既に、HEMSについては、日本での展開や欧州でのスマートグリッド連携などを開始している。また、「エナジーソリューション事業推進本部」を設置し、事業横断展開により、家、ビル、そして街へと広がる「まるごとエナジーソリューション」を提供する。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:35| 知識