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2010年02月15日

【流通】輸出用果実に付着している害虫高能率に除去する洗浄機を開発

--- 生研センターが開発  国産果実の輸出促進に期待置 ---

農業・食品産業技術総合研究機構(以下:農研機構)生研センターでは、国産果実の輸出促進のため、リンゴ・ナシなど輸出果実の表面に付着しているハダニ類等の害虫を素早く確実に除去する洗浄機を開発した。この装置は、平成18年に農研機構 果樹研究所および中央農業総合研究センターが開発した揺動噴射式果実洗浄機を元にしたもので、果実を連続搬送してハダニが付着している上下2ヶ所のくぼみを同時に洗浄する仕組みを新たに開発して、輸出の際に問題となるハダニ類が高能率に除去できるようになった。

近年、我が国のリンゴやナシの東アジア諸国への輸出が活発だが、果実にハダニ類の付着が目立つ場合には検疫で不合格になることがある。また、ハダニの付着は商品価値を著しく損なうので、貿易業者からはハダニ類の除去を強く求められている。

これまでは、果実洗浄機がなかったため、果実1個ずつをエアガンによる手作業で処理していたが、多くの時間がかかっている。そこで、農研機構においては、ハダニ類除去作業の省力化のため、これまでに揺動噴射式果実洗浄機(図1)を開発したが、果実をひとつひとつ機械にセットする必要があり、産地からはより一層、高能率に除去作業を行うことができる果実洗浄機の開発が強く求められていた。

そこで、連続的に洗浄ができるよう果実の上下2ヶ所のくぼみに同時に噴霧できる洗浄機の開発に着手した。平成20年度に、新たな連続搬送式果実洗浄機を試作し、全国から集めたハダニが付着したリンゴを用いて性能試験を行っていた。その結果を踏まえて、平成21年度は試作機を改良を行い、弘前市で現地試験を行った。

開発したのは、ターンテーブルの搬送トレイに果実を供給し、洗浄後に取り出す連続搬送式果実洗浄機で、果実上下2ヶ所のくぼみに同時に微細化した水滴を含んだ圧縮空気の旋回流を噴射してハダニ成虫類を除去する。ノズル位置は果実の高さに応じて4段階に自動調整できる。搬送速度は、果実へのハダニ類の付着状態や作業人数に合わせて調整できる。

農研機構では、平成22年度の早期市販化に向けて技術提供を積極的に進める。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:20| 流通