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2000年11月14日

【流通】VI(ヴィジュアルアイデンティティー)

あ: 最近、SONYのテレビCM見ました?

や: テレビ見る暇なくって・ ・ ・
何かあったの?

あ: CMの最後に「It'a SONY」って出る代わりに
「・ ・ ・ SONY」だけしか言わなくなってるんですよ
しかもCM毎に画像が微妙に違うんです

や: ん―――
VIに変化をつけてきたか・ ・ ・

 

・ 消費者へ判断基準を植え付ける
・ 無形な価値のアピール
・ 他業界への進出時のブランディング

 

あ: でも、どうしてこんな変化をつけたんでしょうね?

や: 「It'a SONY」って言ってた時と
今後のSONYは違うって事なんだろうね

あ: 違う? 
つまりハード中心の企業から
ハードとソフトの融合って事に
イメージチェンジするんですよね?

や: NO ――――――― !!
すこし違うんだよね
詳しく話すと・ ・ ・

あ: お、お願いします!

や: 確かに「It'a SONY」って言ってた時には
VIによってSONYの持ってるハードとしての優位性を強調していた
例えば「世界最小!」とかよく言ってたじゃんか!

あ: ハイ ウォークマンでよく聞きました
あとハンディカムでは「スタミナ!」ですね

や: 消費者ってこういうSONYのテレビCMを見た時には
まだSONY製の商品を買うって決まってないんだよ
結局、店に行っていろいろ見比べるでしょ?
こっちのメーカーの方が安いとか
欲しい機能がついてるとか・ ・ ・

あ: 私はとにかく価格重視です

や: 本当にそれだけ?
よく自分の買物する時を思い出してよ! 

例えば運動会シーズンにビデオカメラのCMが盛んに流れるよね
「じゃ、買おうか!」ってなった時に
SONYの「スタミナ!」ってCMを見ちゃうと
店に行っていろんなメーカーの商品が並んでる中で
思わず店員さんに「これ何時間使えるの?」って聞いてしまわない?

あ: つまり自分の商品の特性をアピールするのが重要なんですね

や: 相変らず浅いねぇ〜

あ: 子供用プールじゃあるまいし・ ・ ・

や: 要は優位性を消費者の比較対象基準にして
   その基準を満たす商品を作る企業は・ ・ ・ 「It'a SONY」って訳!
VIにはこういう効果があるんだよ


あ: だったらVIを変える必要ないじゃないですか
せっかく「SONY」としてのブランディングもできてる訳ですし・ ・ ・

や: 一つのブランドとして考えた場合
こうした無形の価値をどう表現するのか?
これからますます重要になってくるんだよ

あ: どういう事ですか?

や: 工業化社会では有形なモノに価値が大きかった
知識情報化社会になってきて無形の価値が重要になってきた
この無形の価値、例えばサービス的な価値を
メーカーであったとしてもどのように表現していくかが
大切な取組みになってくるんだよ

あ: つまりハードとしての優位性を「It'a SONY」で
ブランディングしてきたんですが
これからの「SONY」というブランドを
どのようなものにしていくのかが重要なんですね

や: そこなんだよ
今回のVIの変更にはそうした姿勢が見られるよ
だって、今の「SONY」には
生命保険、ソニースタイル、そして銀行・ ・ ・
こうしたサービス業があるじゃない!
これを従来の「It'a SONY」じゃちょっと厳しいんじゃないかな

生命保険のSONY、小売業のSONY、銀行のSONYって
消費者が聞いた時に それぞれ自然とイメージができる
冠としてのSONYブランドが形成できる
その為のVIなんだよ!

あ: 確かにサービス部門で「It'a SONY」のままでは
SONYのイメージがぼやけますね
あっ! そう言えばPS2だけは
SONYのVIが使われてませんね!

や: 大きな冠としてのブランドの使い方が多義になっていく中で
SONYというブランドをどう使っていくのか? 注目だよ

これから他業界に進出を考えている企業にとって
ブランド展開の方法を是非参考にして欲しいよ

あ: そうですね
私も参考にします

や: 何の参考にするんだい?

あ: 自分というブランドの展開について―――

や: それはブランド力があってのはなしでしょ!

あ: そこからですね  ▲!×●凵H♂・ ・ ・    

◇◇◇関連記事◇◇◇


『SONY VIを変更』

SONYは10月からテレビCMの最後に企業名を訴えるヴィジュアルアイデンティティー(VI)画像をCM毎に変更している。もとになるデジタル動画・音声はサーバーで管理し刻々と変化させおり、その中から一部分を切り取って利用、その組み合わせは無数になる。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 13:22| 流通