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2001年11月20日

【流通】モノの知的価値を付加するのは誰?

ナイキジャパンがサイトで受注生産――

ま: 「あ:」さん
今年の流行の色って知ってます?

あ: うーん
確か。。。。
「オレンジ」だったような・・・

ま: オレンジですねっ!!

あ: でもどうして流行りの色なんか
気にするんだい

ま: 今日帰って自分の靴を作ろうと
思ってるんですけど
流行に敏感にならないと

あ: 自分で靴を作るの?
「ま:」さんにそんな技術あったっけ?

ま: 違いますよ!
色とか素材とかを自由に選ぶんです
 

『ナイキジャパンがサイトで受注生産』

スポーツ用品大手のナイキジャパンは、自社のサイトで、好みのデザインや色が選べるスポーツシューズ「エアクキニiD」の販売を始めた。生地や裏地、靴底の色など自由に選択できる選択肢は20万通りにもなる。ナイキは昨年秋に初めて受注生産型のスポーツシューズをサイト上で発売した。
 


ま: 最近では様々な分野で受注生産型販売が
広がってきました
自分のスタイルは自分で作りたい

あ: 個性を重視したいっていう
消費者ニーズへの対応の一つ!

ま: その分、組み合わせやアレンジと
いった機能が重要視されてきますよ

自由に組み合わせを選択できる流通形式が
これからも増えてくると思います!
消費者にとっても便利になりますね!

あ: それはどうかな?
消費にもいろんなタイプがあるでしょ
自分だけの個性やこだわりを
重視したい人は受注生産型の方が好まれるだろうし。。。
逆に選択できる人ばかりじゃないからね

      つまり「わからない」とか「こだわらない」分野も
消費者は併せ持ってるからね
何がいいのか?どんな組み合わせがいいの?
商品に対する知識などがない分野については
メジャーブランドとか無難なモノとか。。。
或いは販売員さんからの情報収集や
メーカーによる広告だったり。。。

メーカー側も
こうした部分をちゃんと考えて製造しているわけでしょ
つまり流行やデザインを提供してるんだから!

ま: なるほど!
受注生産で商品を注文する人は
その知的価値的な部分を自分で
補ってるわけですね

あ: 生産者側は「これがいい!」という
知的価値を消費者に提案して
「流通」を起こすきっかけを作りだしている

ま: それに、受注生産を利用している人の
中からも「流通」のきっかけを創り出す
人も出てくるかもしれませんね

「俺の組み合わせた商品はこんな感じ!」
なんてね!
自ら属するコミュニティに対する情報発信を行なったり・・・

あ: 消費者の多様なニーズに
   対応するという意味での受注生産型流通では
デザインや流行、コミュニティ毎の価値は
消費者側の選択肢によって決まるところが多い
でも、受注生産型ではない商品や販売方法では
結局メーカー側が「提案」する部分でしょ
この部分に対する価値が 今見直されようとしているんだよ

ひょっとすると
受注生産型流通の方が安く買えたりするかも!?

ま: えっ 安く買えるんですか?

あ: 「つくる」という機能(価値)と
「組み合わせ方」も含めた「デザイン」部分の機能(価値)を
分けて考えた場合
既製品として流通する商品には
全ての価値が含まれる

受注生産型の流通となると
後者の「デザイン」的な価値を
消費者自ら創造するわけだから・・・
知的創造物に対する価値が高まっている時代でしょ!

「モノ」に含まれる知的な価値を
流通構造上の どのプレーヤーが付加していくのか?
今は消費者も含めた中で考えないと
いけない時代
って事だよ

例えば「流行色」って言っても
誰か(人間)が『創造』しているんだよ
何も。。。今年の魚はオレンジ色だから
流行は「オレンジ」なんて事はないんだから!
新しい技術、使いやすさも含めたデザイン、色、素材。。。もね     
ま: ということは
流行の色の「オレンジ」を知っていた
「あ:」さんの方が
何も知らない僕よりも価値を
提供できるってことですよね・・・

あ: ま、まぁそういうことだね
(いまさら、適当に言ったなんて言えないなぁ・・・)

ま: そうだ友達に今年の流行は
オレンジだって教えてあげないと!

あ: ヤバッ・・・

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 14:00| 流通