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2003年09月01日

【流通】電子著作物の価値交換スタイル

――ネットプライスとインフォコム、
  着メロサイトでショッピングサービス「めちゃギャザ」を開始――

 

 
あ: 「ま:」さん
   このCD−R、一緒にお金を出し合って買わない?
   今日は安いよ!!

ま: これは・・・安い! 買っておきましょう!!
   10枚も必要ないし
   5枚ずつってことで、半分ずつ出し合いましょうか!

あ: ラッキー! 得したね
   5枚セットじゃ 互いにこの価格で買えないもん!

ま: 少額のお金を出し合って
   規模のメリットを互いに享受する・・・
   これぞ共同購入ですね!

あ: どうやら携帯電話を利用した
   共同購入(ギャザリング)スタイルが
   導入されたらしいよ・・・


『ネットプライスとインフォコム、
   着メロサイトでショッピングサービス「めちゃギャザ」を開始』

ネットプライスと、モバイル公式サイトを運営するインフォコムは、
共同でインフォコムの着メロサイト「めちゃメロ」で
ショッピングサービス「めちゃギャザ」を開始する。
「めちゃギャザ」は、国内外の様々な着信メロディーを提供する
J-SKY公式着メロサイトと、
ネットプライスが展開する共同購入「ギャザリング」を組み合わせたサービス。
「めちゃメロ」では販売商品が厳選しやすく、
また1商品あたりの購入申し込みを集中して集めやすい事から、
商品の購入申し込み者数に応じて販売価格が安くなる
ギャザリング方式による販売を採用したという。


ま: 着メロなどコンテンツのダウンロードに限らず
   携帯電話を利用した商品販売サイトの利用も
   随分と広がりを見せているようですね

あ: PCをベースにしたEC市場と同じく
   携帯電話を活用したモバイルEC市場による
   新しい消費スタイルが普及しつつある・・・
   携帯電話などモバイル機器を利用した市場は
   1000億円規模にまで成長、 
   
今後、モバイルB2C市場は
   3兆円規模にまで成長するという試算もある
ようだ

ま: ついこないだまで、考えられない
   価値交換スタイルですよね
   移動中、お昼休みなど
   ちょっと時間ができた時に。。。
   街で見かける携帯電話を利用するシーンとして
   メールやゲームだけじゃなく買い物していることもあるって事ですよ

あ: パソコンがなくてもネットショッピングが出来る時代だもんなぁ
   歩きながら買い物・・・? 

ま: それって外出したときに買い物もできるって事ですよね
   だったら買い物するところへ外出しろよ!って感じですが。。。
   それにいくら携帯電話の性能が向上したとしても
   商品によっては質感や機能を確認しづらい事もあるでしょうし・・・
   適合商品とそうでないものに、分かれていくと思います
   当分は、着メロや画像が主力商品でしょう

あ: 着メロも一種の著作物だからね

ま: 着メロもギャザリングの対象になると
   ヒット曲になればなるほど、
   単価が下がっていくわけですから・・・
   購入者にとってもメリットが高いですよね!

あ: 著作物に関するギャザリングかぁ・・・
   確かに著作物、特に電子化可能なメディアについては
   収穫逓増の法則が成立する環境が出来やすい為
   いわゆるヒット商品を生み出した場合
   その報酬は莫大なものとなる場合がある・・・

ま: 音楽やベストセラーの作家などですね

あ: 時が経った後でも
   例えば音楽の場合、カラオケや店のバックミュージックとして
   利用されたときに応じて報酬が入ってくる・・・
   リアルの商品ではあり得ない事でしょ?

ま: そうですよね
   その都度、生産、販売・・・流通の発生が必要となってきます
   まさにリアルビジネスです

あ: 著作物のギャザリングによる販売が可能となった場合
   こういう訳にはいかないかも・・・
   一度価格が決まって価値交換した後
   同じように購入者が増えた場合
   キャッシュバックできる仕組みが必要になってくるからね

ま: そうですよね
   ギャザリングによって価格が決定したコンテンツを購入した後  
   更に多数の購入者が出た場合
   理論としては単価が下がるはずですが
   決済をした後では・・・ 払い戻しなんて不可能ですよね

あ: そもそも著作権という概念が生まれていない時代の
   知的価値流通って   
   ほんと、自由そのものだったんじゃないかな?
   その分、伝播は制限無く広がって・・・
   だからこそ、新しい創造物が
   どんどん世に出てきた!という考えもあるようだ・・・
   つまり、著作物の流通に関して
   権利を守ることは当然としても
   「制限」になってしまうと、
   思想や考えを表現した創造物の出現は
   限られたモノになってしまう・・・

ま: かといって、著作権を認めないなんて事になると
   今から新たに著作者になろうという
   モチベーションの低下にもつながりかねません・・・

あ: 将来の著作物の在り方、そして権利とその報酬について
   今から考えておく必要があるかもしれないね。。。
   その一つの手法として
   著作物のギャザリング方式を応用したりできないかな?
   常時どこか流通経路で購入できるモノではなく
   一定の日時だけ、一斉に販売し続けるとか・・・
   例えば、あるアーティストのAという曲は
   毎月1日午後6時に締め切るとか・・・

ま: その都度、ギャザリングする・・・って事ですか?

あ: 著作者は、毎月一人でも購入者が居続ける事により
   同じ金額を収受できる。。。
   購入者は一斉に多数の購入希望者が居る場合、
   価格的にメリットを受ける・・・

ま: そうなると・・・
   今の消費傾向からしますと
   著作者にとって不利になりませんか?
   短期間で一気に消費される傾向が強いですから・・・

あ: まぁ、そういう問題も当然出てくるだろうけど・・・
   コンテンツ流通の一つのスタイルとして
   今の短期間集中消費型流通に一石を投じるかもしれないでしょ

ま: 確かに著作者としても安定的な収益が得られるかもしれません・・・

あ: 価値交換スタイルが
   いろいろと登場し定着してくることによって
   コンテンツの流通、著作物の価値交換スタイルも
   変化してくる
って事!
   価値と価格。。。
   人それぞれが決めるモノ、判断するモノだけど
   市場の評価、同じ価値観の人の数によって
   
価値はかわらなくとも、価格は一定ではない・・・ 
   そんな価値交換スタイルが
   新しい流通市場を形成してくるかもしれない?!
   携帯をはじめとしたEC市場
   そこには、新しい価値交換スタイル   
   そして供給者側の収益モデルそのものが
   変わってくることを意味する・・・
   従来のモノ、そして電子化されるコンテンツにおいても
   同じってことだよ!

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投稿者:gotsuat 15:10| 流通