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2004年06月15日

【流通】三菱重工、コンビニ配送に最適な新冷媒加温方式冷凍ユニットを開発

――物流ハード面の進化 鮮度管理、配送効率向上へ――

三菱重工業は、コンビニエンスストア商品の配送効率化を高める業界初の「非凝縮冷媒加温方式」(特許申請中)採用の2室用陸上輸送冷凍ユニット(以下、2室用冷凍ユニット)を開発した。
ラジエーター温水を利用する従来の温水加温方式を改め、新しいタイプの冷媒加温方式の開発により、運転切替時の即応性と安定した加温能力、優れた温度制御を実現した。冷凍から加温(−25℃〜+25℃)まで、2室の保存温度の任意設定が可能であることが最大の特徴。ラジエーター温水を一切使用しないことから、温水系配管の廃止によるメンテナンスフリーも実現した。
コンビニエンスストア業界では、多品種・少量配送の必要により、冷凍・冷蔵商品と加温商品という保存温度の異なる商品を、トラック荷台の前後の2室に分けて配送することが広く採用されており、より効率的で信頼性のある2室用冷凍ユニットの開発が待たれていた。
従来の冷媒加温方式では、冷媒過不足による加温能力の低下や、2室用冷凍ユニット運転切替時の応答性の低さなどの難点があった。このため、現在では冷却側は冷媒で対応するものの、加温側は車両用エンジンのラジエーター温水を利用する温水加温方式が主流となっている。
しかし、この方式も、過大な熱容量により加温庫内の温度変動が大きくなるほか、複雑な温水系配管の設置やそのメンテンナンスが必要であり、さらに加温庫が前室か後室のどちらか一方に固定されるという使い勝手の悪さがあった。今回の2室用冷凍ユニットは、車両用エンジン温水を利用しない新冷媒加温方式の開発により、これらの難点を解消、保存温度の異なる多品種・少量商品の効率の良い同時配送を実現した。
鮮度管理、配送効率の向上といった課題に対し、物流のハード面からの改善も進んでいる。商品特性毎に配送集約が進んできたが、温度帯の異なる商品の一括配送も、より高品質で行うことが可能となる。今後はコンビニの店舗配送の他、宅配レベルでも適用が進んでくると考えられる。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 12:15| 流通