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2004年09月16日

【流通】JCBと神奈中ハイヤーなど、11月からタクシー利用の新決済サービス「QUICPay」の実証実験を開始

――携帯電話を利用した汎用決済サービス、流通拡大への展望――

神奈中ハイヤー、JCBサクサの3社は、タクシー利用における簡単・便利な決済システム構築を目指し、非接触ICを用いた汎用決済サービス「QUICPay(TM)」(クイックペイ:Quick&Useful IC Paymentの略で、電子マネーのように事前にバリューのチャージを行う必要なく、利用した分だけポストペイ[後払い]でスピーディーなクレジット決済を行うことができる新しい汎用決済サービス。エヌ・ティ・ティ・ドコモが実施する「iモードFeliCa」「おサイフケータイ」にも対応。)の実証実験を2004年11月から実施する運びとなった。
これまで、神奈中ハイヤーでは、ココデカード(非接触ICカード)を使用した「IC公衆電話対応クイック配車サービス」および「行き先通知サービス」等のITを活用したサービスを展開してきたが、さらなる顧客満足度の向上を図るため、JCBの簡単・便利な新決済サービス「QUICPay」を本格導入する方針を決定、3社合同で実証実験を実施することに合意した。なお、この実験では、神奈中ハイヤーのフィールド提供のもと、「QUICPay」決済スキームをJCB、タクシー車内の決済端末と神奈中ハイヤーの本社および営業所に設置する利用データ処理システムをサクサが提供する。
今回の実証実験においては、まず、JCBカード保有者である神奈中ハイヤー職員(約20名)に「おサイフケータイ(NTTドコモ登録商標:携帯端末を利用した決済システム)」を配布。職員は、「QUICPay」のアプリケーションを携帯電話にダウンロードした上で、タクシー(約30台)に乗車し、その乗車料金を携帯電話に搭載された「QUICPay」にて決済する。乗車料金の決済は、タクシーメータと連動した車載端末に携帯電話をかざすだけで完了する、ユーザーはスピーディーに支払いを終えることができ、利用料金は、ユーザーのJCBカードと合算で後日請求される。
神奈中ハイヤーでは、これまで車内でのクレジットカード決済の際、「インプリンター」と呼ばれるマニュアル処理で運用してきたが、「QUICPay」導入で、決済処理が1秒以内に完了するうえ、ユーザーにとっては、決済が簡単になり、利便性が飛躍的に向上するというメリットがある。同時に、乗務員等の作業も簡素化し処理時間が短縮され、従来よりも運用が効率化される等、タクシー事業者にとっても、大きな効果があると見込んでいる。
現在携帯端末は、企業単位でも従業員の社内外連絡用ツールとしてかなり広範に普及しつつある。社用携帯による交通費支払いなどが実現すれば企業の会計処理の負担減にもつながることも考えられる。このシステムの運用にあたり、料金請求書などに乗車区間などの利用明細を掲載させられるシステムを整えることなどができれば、企業単位でも導入メリットが認識され、個人所有の携帯以外に、社用携帯という市場において今後普及していく可能性もある。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 11:09| 流通