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2004年12月14日

【知識】日本IBM ネットワークを介して自動車の故障を診断・予測

日本IBMは、自動車など電子制御の機械システムに組み込まれた多数のセンサーから異種大量の時系列データを分析し、故障の原因を突き止め、早期に対策を講ずる「障害解析ソリューション」の開発フレームワークを試作した。
この開発フレームワークを使って障害解析システムを構築すれば、ディーラー等で蓄積されたデータを自動診断し、故障の初期症状を検知することも可能。さらに将来的には走行中の自動車からネットワーク経由で送られてくるデータを自動診断、故障解析し、ドライバーに伝達してトラブルを回避するといったことも可能になる。また、自動車だけでなく、船舶、飛行機等の安全管理、自動化された生産設備などを制御する製造業、さらに、多種大量の時系列データを扱う金融や医療等の分野への応用も可能という。
自動車には多数のセンサーとチップが埋め込まれており、空気流量やエンジン回転数、ギア位置等の膨大なデータが時々刻々と収集されている。また、最近の電子化の進展と複雑化により、特殊な状況でのみ起きる故障など障害も複雑化しており、根本原因の診断には、一つではなく複数の変数(データ)の連動の仕方を調べる必要がある。
障害解析ソリューションでは、センサー等から収集した多種多様なデータを、車に搭載した小型コンピューターに蓄積し、ネットワーク経由で診断用サーバーに接続してシステムの不具合とその原因を突き止める。障害診断のためには障害判定の法則(ロジック)を見出すことが重要となってくるが、日本IBMの東京基礎研究所が開発を進めてきた新しいデータマイニング技術を利用する。
自動車や船舶、あるいは生産設備に至るまで、今や電子的な制御が必要不可欠となっている。故障時のデータを解析することにより、新たな商品開発へつながることになるが、収集すべきデータの定義と収集方法、そして解析を行うまでのデータの取扱い、送受信方法など、一連の流れの中で、ロジスティクス的な取組なしには実現できないサービスと言える。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 11:24| 知識