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2005年09月01日

【流通】楽天「高級品市場」を開設

――ネットでの買い物行為で満足を得る演出――

楽天は、インターネットショッピングモール「楽天市場」内に、ワンランク上の上質アイテムを提案する「高級品市場」を8月29日に開設した。
これまで「楽天市場」は、”誰もがお買物を楽しめる場=Shopping is Entertainment!”をコンセプトに、あらゆるジャンルの商品(約1,400万品)をセグメントして提供してきた。
しかし、最近の消費者傾向として”安さ”と”高級感”に代表される両極端な消費の二極化が進むと共に、ニーズの多様化も現れてきている。「楽天市場」においても、日用品から、814万円の腕時計を始めとする高級志向の売れ行きが高まっており、単価100万円を超える商品の流通に関しては、対前年同期比63.7%の伸び(2005年第2四半期実績)を示している。また、米メリルリンチ発表の資料によると、日本の富裕層人口は昨年を越え、世界的分布をみても、富裕層の2割弱を日本が占めるという報告がなされている。「高級品市場」は、このような消費傾向と富裕層の増加という背景を受け、「楽天市場」の新たなブランド構築に向けた試みとしてスタートした。
サイト内では、毎月3つのテーマに沿って、各8商品、計24商品をセレクトして紹介していて、第1回目のテーマは「時計」「ワイン」「和」である。サイトオープンを飾るのは、市場初公開となる樹齢500年の盆栽(1,200万円)の他、ダリやシャガール、ピカソなどの著名画家が描いたラベル付きワイン56本セット(約2,400万円、ラベルは1945年〜2000年まで毎年異なるもの)など。その他、「高級品市場」限定商品として、様々な特典を付けた2泊100万円の豪華ホテル宿泊プランも用意した。
高級品の需要が高まる中、ショッピングモールでの対応により、需要拡大も期待される。リアル店舗網との差別化要因として、価格や希少性があげられるが、今後、嗜好品を消費する流通経路として、ネットの活用を促すため、リアル店舗で体験する買い物行為自体の満足感を得られるブランド戦略やサービスの確立が求められてきそうだ。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 14:20| 流通