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2005年11月18日

【知識】大日本印刷と尾崎商事、ICタグによる衣料用生地原反管理システムを開発

大日本印刷(以下DNP)は、尾崎商事(以下ozaki)と共同で、ICタグを利用して、衣料製造用の生地原反を個別管理するシステムを開発した。ozakiは、11月下旬から、都城工場で同システムの運用を開始する。
ozakiでは既にコンピュータ上で、生地原反の在庫管理を行っていたが、個々の生地原反の残メートル数をコンピュータ上で把握することが出来ていなかった。また、同じ生地原反であっても、幅が異なる場合もあり、これについてもコンピュータ上では管理されていないこともあり、以下のような課題があった。

生産品目に最適な、幅、メートル数の生地原反を選択的に使用することができず、端部に余りが生じるなど、効率的な裁断パターンを割付けられないことがある。

月次の資材棚卸しは、従業員が、生地原反に取り付けられた紙の札を目視で確認し、作業負荷が高い。

倉庫出庫後の生地原反の所在が把握できておらず、繁忙期には生地原反を探すことがある。

今回のシステムでは、品種や色ごとの総数管理(総本数および総メートル数)を行うため、資材管理全般及び資材棚卸しの作業負荷軽減と時間短縮を目的にICタグを使った生地原反の個別管理システムを開発、導入する。
システム概要は、まず生地原反1本ごとに、書き換え可能なICタグを取り付け、個別管理を行う。ICタグには、資材コードと幅・残メートル数が記録され、入荷時や裁断時に、リーダライタにより残メートル数を書き込み、サーバに登録する。
今回のシステムにより、多数の生地原反の中から、生産に適した幅、残メートル数のものを選択することができ、生地原反の効率的な裁断が行える。また、棚や資材一時置場、裁断場所もICタグを用いて管理する事で、生地原反の所在が明確となり、目的の生地原反を探す手間が省ける。これにより、資材棚卸しや生産時の資材手配の作業効率化を図る。
今回のシステム開発は、品種はもちろん生地毎の残メートル数管理により、生産時の最適な資材活用及び裁断作業の軽減、在庫棚卸作業付加の軽減、調達活動、キャッシュフローの改善など、IT導入により各組織で効果が期待される。ロジスティクス活動を支援するシステムとして、同様の商材を扱う企業にとって注目されるシステムと言える。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 11:07| 知識