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2021年07月26日

【アジア】三菱パワー 江蘇沙鋼グループ向けに高炉ガス焚きGTCC発電設備を受注

三菱パワーは中国製鉄大手の江蘇沙鋼集団向けに現地法人を通じて、M701SDAX形ガスタービンを中核とする高炉ガス焚き18万kW級ガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)発電設備を受注した。グループ企業の製鉄所内における高炉から排出されるガスを有効利用して工場内の電力の一部を賄うもので、運転開始は2023年を予定している。

発電設備は上海から北西へ約100kmに位置する江蘇省蘇州市内の県級市である張家港市の張家港宏昌鋼板に納入される。今回受注した高炉ガス焚きGTCC発電設備は、ガスタービン、排熱回収ボイラー、蒸気タービン、発電機、ガスコンプレッサー、各種補機などで構成されている。三菱パワーはこのうち、主要機器であるM701SDAX形ガスタービンを高砂工場(兵庫県高砂市)で製作し、関連装置・補機類も供給する。蒸気タービンや発電機は、協業関係にある現地重電機器メーカーの東方電気集団が手掛ける。

江蘇沙鋼グループは1975年に設立された蘇州市を本拠とする世界有数の製鉄会社で、鉄、鉄鋼、圧延鋼板などの生産を手掛けている。三菱パワーは同社向けにはこれまで、2005年の初号機運転開始を皮切りに高炉ガス焚きGTCC発電設備(5万kW級)を計4基納入しており、今回の受注はその実績と高い技術力が評価された。

世界的な環境負荷低減の動きのなかで、製鉄業界でもCO2排出量の削減が強く求められている。製鉄所から発生する副生ガスを高効率で活用する高炉ガス焚きGTCCは、環境への負荷低減に力を発揮するだけでなく、エネルギーの有効利用にも大きく貢献する。

高炉ガスは、天然ガスに比べてカロリーが低く、ガスタービンの安定燃焼には高度な技術が要求される。三菱パワーは1980年代に専用の燃焼器を開発するなどして独自の高炉ガス焚きGTCC発電技術を確立し、それ以来、国内外の製鉄所に数多く納入してきた。高炉ガス焚きGTCC発電システムでは世界トップの実績を誇っており、現在では高炉ガス焚きガスタービンの世界シェアは6割を超えている。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:30| アジア