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2021年04月16日

【環 境】日立造船 大阪・築港工場内にPtG関連施設「PtG Square」新設


日立造船は水電解装置(水素発生装置)やメタネーション設備などのPower to Gas(以下 PtG)関連事業を積極的に推進していくため、同社築港工場(大阪府大阪市)内に「PtG Square」を新設する。

同社は長年、柏工場(千葉県柏市)で水電解装置やメタネーション設備などのPtGに関わる事業を手がけてきたが、事業再構築の一環として柏工場から築港工場に移転し、令和3(2021)年1月より新たに事業を開始している。PtG Squareの建設は、柏工場から築港工場への移転を事業伸長の機会として捉えて設備投資を決定された。建屋内は水電解装置の効率的な組立・出荷を可能とするための大型電解セルスタック組立場やクリーンルーム、評価試験場などからなる水素エリアと、メタネーション反応の核となる触媒の評価や前処理を行うメタネーションエリアで構成される。

またPtG Squareには柏工場で活用していた水電解装置やメタネーション実証設備を設置する。風力や太陽光などの再生可能エネルギー発電出力の変動パターンを設定して実際に水素を発生させ、メタネーション反応に必要な二酸化炭素の濃度や組成を実際に導入が検討される環境に設定してメタンガスの製造を行うなど、PtG設備の導入検証が可能である。

日立造船は2020年4月から築港工場を拠点とする開発本部内に、水電解やメタネーションに関する人材・技術などを集約した「PtG事業推進室」を設置し、PtG事業を積極的に進めている。水素分野では昭和45(1970)年代から水電解装置の研究開発を開始し、平成12(2000)年には固体高分子型水電解装置「HYDROSPRING」の営業を始め、国内地方自治体や大手企業が手がけるPtG事業向けに28基の水電解装置を納めている。また、メタネーション分野では平成7(1995)年に東北大学と共に世界で初めて実証試験を行い、水素と二酸化炭素を合成してメタンガスを生成することが可能なことを証明し、その後も高性能触媒やプロセスの開発を行ってきた。

近年、脱炭素社会や資源循環型社会の実現に向けた取り組みが世界的に加速しているが、同社は長年培った水電解やメタネーションに関する知見を活かし、持続可能な社会の実現に積極的に貢献していくとしている。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:25| 企業の取り組み【機関】