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2021年02月17日

【環 境】伊藤忠商事 伊・Aquafilとナイロン循環リサイクルで業務提携


伊藤忠商事は世界最大のリサイクルナイロンブランド「ECONYL(以下「エコニール」)」を展開するイタリアのAquafilとナイロン循環リサイクルに関するビジネスの推進、拡大に向けて業務提携を締結した。提携を契機にナイロン廃棄物の回収からリサイクルナイロンを原料とした最終製品の開発、販売まで本格的に取り組む。

昨今、カーボンニュートラルの対応が世界中で急務とされる中で、石油化学製品のリサイクル比率の向上は最重要課題の一つと位置付けられている。ナイロンは石油由来の化学繊維やプラスチック原料として、ファッション、カーペット、漁網、食品包材、自動車用部材等幅広い分野で使用される一方で、他原料との複合素材として使用されている製品も多く、リサイクルが難しい素材の一つでもある。

Aquafilは独自の技術でナイロン廃棄物をケミカルリサイクルによって粗原料であるカプロラクタム(以下「CPL」)まで戻し、不純物等を完全に除去しバージン材と同等品質で再利用できる循環リサイクルシステムを構築し、平成23(2011)年よりスロベニアにて漁網やカーペットなどの廃棄物を原料としてリサイクルナイロン「エコニール」の生産を開始した。

エコニールは100%廃棄物からのリサイクルのため、石油由来の通常のナイロンに比べてCO2排出量を最大90%削減できる。環境配慮型素材としてファッション業界やカーペット業界等を中心に、全世界2000社以上の著名なブランドで採用されてきた。特にファッション業界においてはグッチ(Gucci)やバーバリー(BURBERRY) 、プラダ(PRADA)等の大手ファッションブランドから大きな支持を受け注目を集めている。

伊藤忠商事はナイロン原料であるCPL及びナイロンチップについて、数量ベースで世界最大規模の取り扱いをしており、伊藤忠商事の持つナイロンバリューチェーンの活用とAquafilのエコニール事業の方向性が合致し、提携締結に至った。今後は伊藤忠グループの持つ多様なネットワークを活かして、グローバルにファッションやカーペット、自動車用部材、包材等の用途向けに拡販し、さらに既存の販売チェーンからの廃棄用ナイロンの回収スキームを構築する予定で、廃棄物の回収から最終製品の販売までをAquafilと共同で取り組むことにより、付加価値の高いナイロン循環リサイクルの拡大を目指す。

伊藤忠商事は次期中期経営計画の基本方針として、『「SDGs」への貢献と取組強化』を掲げており、ナイロン循環リサイクルビジネスの更なる拡大を通して、持続可能な循環型社会の発展に貢献していくとしている。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:25| 企業の取り組み【機関】