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2021年02月02日

【流 通】カネカと国立感染症研究所 難治性呼吸器感染症の検査技術を開発


カネカはと国立感染症研究所ハンセン病研究センター星野仁彦室長らは共同研究により、近年急激に増加している難治性呼吸器感染症である肺アブセッサス症の原因菌 Mycobacterium abscessus complex(MABC)を簡便に検査する技術を開発した。

MABCは肺に感染することで難治性の呼吸器感染症である肺アブセッサス症を引き起こします。MABCには3つの亜種(※1)が存在し、その種類により治療方針や予後が異なることや治療薬であるマクロライド系抗生物質に耐性を持つ株が存在することが知られている。そのため欧米の診療ガイドライン(※2)では肺アブセッサス症の診療時に、亜種の判別とマクロライド感受性に関する検査実施が推奨されている。しかし従来の検査法では亜種判別に高価な分析装置を必要とし、またマクロライドの感受性試験には2週間程度の培養期間を要するなど、費用面や迅速性に課題が存在した。

今回、国立感染症研究所の遺伝子判別技術とカネカの核酸クロマト技術(※3)を組み合わせることで、約1時間でMABCの3亜種とマクロライド耐性の同時判別を可能にした。対象疾患患者は国内で数千例と推定され、国内1万テスト以上の年間使用が見込まれる。また近年、東アジアや欧米諸国でも患者が増加しており、グローバルでは10万テストほどの年間使用が見込まれ、グローバルにアンメットメディカルニーズの解決に貢献する。


※1 3亜種
 M. abscessus subsp. abscessus、M. abscessus subsp. bolletii、M. abscessus subsp. massilienseの3亜種

※2 欧米の診療ガイドライン
米国胸部学会/欧州呼吸器学会/欧州臨床微生物感染症学会/米国感染症学会が合同で発表した肺NTM症の治療ガイドライン

※3 核酸クロマト技術
菌やウイルス由来の特有な遺伝子を目視で検出する試験紙

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:40| 流通