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2021年01月26日

【流 通】矢野経済研究所 倉庫内物流テック市場の伸長を予測


矢野経済研究所は、国内の倉庫内物流テック市場を調査し、分野別の動向、参入企業の動向、将来展望を明らかにした。

物流業界は労働集約的産業であるがために人手不足が他業界より深刻で、「省人化」をキーワードとした物流テックの導入に注目が集まっている。物流テックの導入には作業効率を高め、省人化に寄与するといったメリットだけではなく、今まで紙などアナログで管理していたものをデジタル化することにより、物流をデータ化できるといった側面もある。その一方で、「開発・導入コストが高い」、「システムを導入しても、社内に管理できるIT人材がいない」といった課題から、物流テックを導入する物流事業者は投資力があり、自社やグループ企業に専門のIT部門・人材を抱えている大手事業者に限られていた。

しかし近年は状況が変わりつつあり、「初期投資が少ない月額料金制のサービスの登場」、「内部のIT人材不足=外部サービスのサポート体制の充実」が進み、中堅物流事業者にも物流テックサービスの導入が進んできている。そこでクラウド型のサービス、音声認識やAI、RFIDなどのシステムを提供する倉庫内の物流テックサービスについて、導入難易度、適正倉庫規模、コロナ禍における動向、投資金額規模の4点について、矢野経済研究所で評価を行った。

「アーリー市場」に分類した、入出庫や在庫を管理するクラウド型WMS(Warehouse Management System:倉庫管理システム)、トラックの入出庫を管理するバース予約/受付システム、作業員の出退勤・作業内容を管理する作業の可視化/業務日報のデジタル化ツール、各種作業を支援する音声認識システムは、2015年前後から導入件数が伸長した。2020年は新型コロナウイルスの影響により、デジタル化に対する機運が高まり、導入難易度も比較的低いことから好調に推移している。そして「シード市場」に分類したAI分野、RFIDの活用については、検品や棚卸し、ピッキング作業などで現在多くの実証実験が進められており、物流現場への本稼働に向けて、2021年は動き出していくと矢野経済研究所は予測している。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:40| 流通