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2020年12月21日

【環 境】伊藤忠と東洋インキ 複層フィルム包材のマテリアルリサイクル技術の協業


伊藤忠商事と東洋インキSCホールディングス(以下 東洋インキグループ)は、複層フィルム包材のマテリアルリサイクル技術の協業展開について合意した。両社の技術とネットワークを活かして、2022年までに世界初となる高品質マテリアルリサイクル実用化を目指していく。

昨今、国内外で使い捨てプラスチック問題に関する動向が注目を浴び、対策が急がれている。日本でも廃棄物として排出されているプラスチックの約16%が単純焼却や埋め立てなどで未利用のまま処理されているほか、約56%を「サーマルリサイクル」や「熱回収」と呼ばれる焼却型の対策に頼っており、多くがマテリアルリサイクルに至っていない。特に食品のパッケージや洗剤等サニタリー商品の詰め替え用パウチなど、「軟包装」と呼ばれるフィルム包材は、用途ごとに異なる要求性能を確保するために、ポリオレフィンやポリエステル等のフィルムの間に、印刷インキと接着剤といった多素材を用いる複層構成になっており、脱離が困難であることがリサイクルにおける大きな課題だった。
2019年、東洋インキグループは総合環境サービス企業の世界最大手と提携し、複層フィルム及び包材を構成するインキや粘接着剤等を脱離する技術を開発した。2021年中に実証パイロットプラントを建設し、LCA(ライフサイクルアセスメント)評価・コストシミュレーション等の検証を進め、2022年のポストインダストリアルリサイクル事業開始を目指す。また、2025年を目途に商業プラントでのポストインダストリアルおよびポストコンシューマーリサイクル事業を開始する。

伊藤忠商事はこの技術に関連する主要な製品材料における国内での独占マーケティング権及びアジア・欧州での優先交渉権を取得するとともに、同技術を用いたマテリアルリサイクルの仕組みの構築、リサイクル可能な環境配慮パッケージ設計の訴求を通じて、食品・日用品メーカー、小売り、ブランドオーナーなどに向けた幅広い環境ソリューションの提供を行っていく。

両社はこうした取り組みにより現状再利用が困難な複層フィルム包材をリサイクル可能なものに転換し、国内外のマテリアルリサイクル率40%以上を目指す。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:25| 企業の取り組み【機関】